栄養素についてのまとめ、4.ビタミンA、ナイアシン以外のB群

Abram Hoffer:Orthomolecular Medicine For Everyone、より
昨年ノートにまとめた内容を再掲、

1.ビタミンA
Aは健常な粘膜や皮膚を維持し、免疫力を強化し、ガンを防ぐ。
A不足は粘膜機能の低下を生じ、易感染性を生じる。
Aは正常な視力を維持するために必要。
Aとカロチンは非常に酸化されやすいが、Eがあれば酸化から防ぐことができる。

A不足は一般に考えられているよりかなり深刻である。
A不足で結石を生じる。
高用量のAとD3は喘息、関節炎に効果を示す。
喘息、関節炎には10000IUで開始し、50000IUまで増量+D3を10000IU。

アメリカ政府のRDA/DRIでは、3000~5000IU。
しかしこれは全く不足している。
10000IUで開始し、50000IUまで増量。
妊娠中は10000IUが上限。
ガンと闘うには500000IUが必要との意見がある。

2.ビタミンB1(Thiamin)
白米を主食とするアジアではB1不足による脚気(beriberi)を生じる。
B1不足はピルビン酸が増加し、乳酸を生じる(ガンの原因になる)。
西欧では、B1不足は、アルコール症、吸収障害、下痢、おう吐などにより生じる。
B1不足の初期症状は、倦怠感、体重減少、食欲低下、進行すると消化器症状と神経障害を生じる。
せん妄に対してはB1は非常に効果がある。
せん妄に対しては、B1+ナイアシン+C。
RDA/DRIは2mg。
メガビタミン療法では、100~3000mg。
安全で毒性はない。

3.ビタミンB2(Riboflavin)
抗精神病薬(統合失調症治療薬)の長期投与でB2不足になる。
B2不足は細胞分裂障害を起こし、不妊になる。
B2は光によって分解される。
RDA/DRIは1.5mg。
メガビタミン療法では50mg。

4.ビタミンB6(Pyridoxine)
最も重要なビタミンの一つ。
小児の学習障害や行動障害治療、統合失調症治療にはナイアシンとともに十分量のB6が必要。
B6はL-トリプトファンからナイアシン合成の補酵素。
B6は、気分を安定させ、冠動脈疾患の危険性を減少させる。手根管症候群にも有効。

B6不足は、ホモシステイン濃度を上昇させ、動脈硬化を悪化させる。
腎結石を予防するには1000mgのB6が必要。
小児自閉症の治療にB6は効果がある。
多動児には十分量のマグネシウムも必要。

統合失調症の患者の尿中に排泄されるクリプトピロール(ふじ色物質)。
このものは脂質やタンパク質が酸化されたもので、B6と亜鉛の不足により生じる。
このような患者には、高用量のナイアシン投与が必要。
つまり、ナイアシン+B6+亜鉛、による治療。
この組み合わせは自閉症患者の治療にも用いられ、約半数の患者に効果を示す。

メガビタミン療法では、100~500mg、最高1000mg。
経口避妊薬服用者は、B1,B2,ナイアシン、B6、葉酸、B12,C不足を生じる。

5.パントテン酸(B5、Pantothenic acid)
コエンザイムAの構成成分、つまりアセチルCoA。
神経伝達物質アセチルコリン代謝に必要。
ロジャー・ウイリアムスにより発見され、このものは全ての細胞の中に存在する。

6.葉酸(Foric acid)とビタミンB12
B12には数多くの種類があるが、その中ではhydroxo-cobalaminが最も活性が高い。
悪性貧血の治療にメガドーズのB12、つまり1000mcgの注射が使われている。
メチル基転移にB12とともに葉酸が必要。
B12欠乏症は稀であるが、菜食主義者にはB12不足になる。
B12不足では運動障害、精神障害を生じる。
精神病患者では高用量のB12投与が必要。
精神病患者では、貧血がなくても血中のB12濃度、葉酸濃度を測定すべき。
妊婦の多くに葉酸不足があり、胎児の正常な成長に600mcgの服用が望ましい。
高齢者では葉酸不足になりやすく、葉酸投与はガンや脳卒中の予防に重要。
B12のDRIは2.5mcg、しかしその1000倍のB12が必要。
葉酸は1000mcgが必要。

7.コリン
コリンはアセチルコリンの前駆物質であり、レシチンの主要成分。
コリンは脳内で、アセチルCoAと反応してアセチルコリンとなる。
アルツハイマー病ではアセチルコリン機能が低下する。
5gのコリン投与、25gのレシチン投与でアルツハイマー病症状は改善する。

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