栄養素についてのまとめ、2.ビタミンC

Abram Hoffer:Orthomolecular Medicine For Everyone、より
昨年ノートにまとめた内容を再掲、
現在三回目を読んでいる、一部加筆。

ビタミンC(アスコルビン酸)(C6H8O6)は、10億年前に生物が誕生時には原始スープ(太古の海)に既に存在していた。
砂糖よりもシンプルな構造。
魚類、両生類は腎臓でCを合成している。
鳥類は、当初は腎臓で、後には肝臓でCを合成するようになった。
哺乳類も肝臓でCを合成していたが、われわれの祖先は、2500万年前にC合成能力を失った。
われわれの祖先は、果物などのCが豊富な環境で生活していた。
Cはグルコースから合成されるが、この合成能力を失うことで、このために使うエネルギーを他の代謝に使用することにより、代謝的優位性を持ち進化に寄与した。

C不足による壊血病(scurvy)は、Cが容易に手に入れられない環境(都市)で生活するようになり顕在化した。
ヨーロッパの中世の黒死病(ペスト)はC不足による壊血病により生じた。
大航海時代の船員の壊血病も同じ理由で生じた。

1.体内のC
副腎はCの含有量が最も高い。
副腎髄質での、アドレナリン、ノルアドレナリン合成にCは補酵素として働く。
副腎皮質でのコルチゾール合成にCは補酵素として働く。

白血球は十分量のCがないと十分な働きができない。
7g/dayのCが必要。

水晶体もその代謝にCを要求する。
白内障患者では、水晶体のCの濃度が下がっている。
白内障予防に高用量C服用が効果がある。

脳においても血液脳関門の維持にCが必要。
Cは神経細胞(ニューロン)のアミノ酸が酸化されることから守っている。

Cは多くの代謝の補酵素として働く。
Cはヒスタミンを破壊する。
組織の中でヒスタミンの集積があると、C不足となり、局所性壊血病となる。
火傷、咬傷、じんましん、アレルギーがあるとヒスタミン濃度が高まり、C濃度が低下する。

Cはコレステロールを溶解しやすくする。
Cは血管壁に付着したCa(異所性Ca沈着)を再溶解して改善させる。
Cは鉛、水銀、カドミウムなどの重金属の体外への排泄を促す。

2.C服用で得られるメリット
Cは、30以上の疾患の予防、治療に有効である。
500mgのC服用により、心疾患による死を42%減らし、全ての疾患による死を35%減らす。
”Cは生体にとって最も安全な物質である。”

3.心疾患と脳卒中
ライナス・ポーリングは、”2000~3000mgのCを服用すれば心疾患を80%軽減できる。
なぜなら殆どの人はC不足の状態に陥っているからだ”、と述べた。
冠動脈の狭窄は、6000mgのCと6000mgのリジン(アミノ酸)で、コレステロールを下げ、血管壁を修復し、改善できる。
CとEの服用により動脈硬化の進展のリスクを下げることができる。
つまり、CとEの服用により、心疾患による死亡率と全ての疾患による死亡率を下げることができる。

29万人による、10年間のC、E、カロチノイド服用による前向き調査により、700mgのC服用により心疾患のリスクは25%軽減した。

動脈硬化病変は、すなわちC不足により生じる。
7000~14000mgのC服用で、血管の異所性カルシウム沈着は溶解し、改善する。

C血中濃度が低い人は、脳卒中になるリスクが2倍になる。
Cは炎症の指標であるCRPを下げる。

4.風邪
Cはインターフェロンと抗体を増やして、風邪を予防する。
ポーリングは、”1000mgのC服用で風邪を45%減少させる”、と言っている。
クレナーは、1000mgで風邪を45~63%減少させ、10000mgで90%減少させる、と言っている。
風邪の引き始めには、毎時間1000mgを6回服用すれば、85%症状を軽減できる。
Cは、結合組織の機能を強めてウイルス感染から細胞を守る。
Cはさらに、免疫機能を強め、フリーラジカルを中和し、高用量のCはウイルスを殺す。
ポーリングは、”砂糖、精製糖質摂取を止めることもカゼの予防には効果がある”と述べている。
さらに、ポーリングは、”風邪の予防には、Cを毎時間1000mgを8時間服用。風邪の引き始めには毎時間2000mgを起きている間続けて服用”、と述べている。

5.ウイルス感染、細菌感染
ウイルス感染、細菌感染は、壊血病症状、つまりC不足病。
ポリオは高用量のCで治療できる。
ウイルス性肝炎もCを40~100gで完治できる。
もし下痢のため服用が出来ないなら、Cの点滴で完治できる。
ヘルペスも3000~4000mgのCで完治できる。
この場合、Znも服用すればCの効果を高める。
発疹部位に、水に溶かしたCを塗るのも有効。
鳥インフルエンザには20000~30000mgのCで治せる。

5.ガン
ガンはC不足による結合組織の脆弱化により成長する。
マコーミックは、”ガン患者ではC不足があり、推定不足量は4500mg”、と言っている。
壊血病症状は白血病やその他のガンの症状と類似している。
ガンと壊血病は、どちらもC不足であり同じ病気である。
長年のC不足が、結合組織の脆弱化を引き起こし、ガンができる。
潜在性壊血病に対し、Cを数グラム服用しておれば、ガンは予防できる。

6.ストレス
動物は、ストレスがかかるとCを大量に合成する。
ストレスがかかると副腎系を介してCが大量に使用される。
ストレスには、化学的ストレス、物理的ストレス、心理的ストレス、などがある。
水銀、鉛などの重金属ストレスに対してCは効果を示す。
すなわち、Cにより水銀、鉛を体外に排泄させる。
熱傷、外傷、抗がん剤に対しては、C、E、セレンが効果を示す。

7.アレルギー
Cはヒスタミンを破壊する。
C+ナイアシンはアレルギー症状を改善させる。
Cは高用量を要する。

8.腎結石
Cにより腎結石を起こすことはない。
むしろ、Cにより腎結石は予防でき、治すこともできる。
Cにより、沈着したカルシウムを溶出させ、体外への排泄を促す。

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