統合失調症発病5年目の女子大学生、3ヶ月ですっかり良くなった

症例;10代後半、女性
H24より幻聴、注察妄想あり。
5年間広島市内の精神科クリニックに通院し、投薬治療を受けているが改善せず、幻聴は今も酷い。

FB記事を見た大学保健室の先生に当院受診を勧められた。
H29.10、母親同伴にて当院受診。
現在の薬、
抗精神病薬:ジプレキサ15mg、エビリファイ9mg、
睡眠導入剤:フルニトラゼパム1mg、
抗不安薬:ランドセン1.5mg。
BUN14.4、フェリチン42。
→高タンパク/低糖質食を指導。
フェルム、ナイアシン500mg、C、B50、Eを開始。
眠気が強いのでランドセン中止。

H29.11、
糖質を1/2に減らしかなり元気になった。
ナイアシンはフラッシュがあるので500mgのまま。
朝が眠いと言うため、フルニトラゼパム中止。

H29.12、
幻聴がなくなった。
ジプレキサ15→10mg。

H30.1,
とても元気になった。
幻聴は全くない。
活発に色々なことができるようになった。
時々不眠あり。
ナイアシン500mg*2を飲んでいる。
夜のナイアシンを増量するよう伝えた。
BUN15.4、フェリチン71。
エビリファイ9→6mg。
現在の薬は、ジプレキサ10mg+エビリファイ6mg+フェルム1錠。
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統合失調症における糖質制限は、お菓子とジュースを止めて、ご飯、パン、麺を1/2に減らすだけでも顕著な効果がある。
Eがあった方が水溶性ビタミン(ナイアシン、B、C)の効きが良くなる。
Eにより細胞膜、ミトコンドリア膜の不飽和脂肪酸の自動酸化が抑制され、ミトコンドリア内に酸素、水溶性ビタミン、ミネラルの取り込みが促進される。
若い患者なのでEは400IU程度で十分。

本症例は、1)元々BUNが高くタンパク不足が軽度であったこと、2)元々フェリチンも比較的高かったこと、から治療反応性が良かったと考えられる。
初診時にBUN10以下、フェリチン10以下の患者は治りが悪い。
本症例では、3ヶ月で抗精神病薬量を2/3にできた。

元記事はこちら


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