ナイアシンには抗うつ効果がある

今読んでいる本、420~440ページにナイアシンアミドによるうつ病治療の症例が載っていた。
用量は2000~3000mg、それにL-トリプトファンを加えて作用増強している症例もある。
かなり有効率が高く、1~2ヶ月で改善しているので驚いた。

L-トリプトファン→5HTP→セロトニン→メラトニン
  ↓
ナイアシン

ヒトがグルコースからビタミンCを合成する能力を失ったのと同じように、L-トリプトファンからナイアシンを合成する能力を失いつつある。
L-トリプトファン60mgからナイアシン1mgが合成されるが、この代謝には個体差が大きい。
ナイアシン不足(潜在性ペラグラ)があれば、L-トリプトファンはナイアシン合成に回され、その結果セロトニン不足を生じ、うつ病を生じる。
つまり、一部のうつ病は潜在性ペラグラなのだろう。

L-トリプトファンはアミノ酸なので、高タンパク食+ナイアシンでセロトニンを増やして抗うつ効果があることになる。
ナイアシンで睡眠が改善するのも、メラトニンを増加させる上記代謝で説明出来る。

統合失調症でもそうであったように、ナイアシンアミドよりナイアシンの方が圧倒的に効果があるはず。
当院でも難治性うつ病に対してナイアシン投与を開始している。
難治性うつ病=高タンパク食(+鉄)+抗うつ薬の調整でも改善しない症例。

まだ3例くらいだけど非常に手応えを感じている。
ビタミンC3g併用下で、ナイアシン500mgから開始。
結構フラッシュは出ず、短期間で2000~3000mgまで増量出来る。
1-2ヶ月で表情がスッキリして落ち着いて冷静になる。
仕事に復帰した人もいる。

鉄タンパク不足の改善でも良くならないうつ病にはナイアシン、かなり有望です。

元記事はこちら

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