自然治癒の健康相談ー37,ビタミンCについて

三石巌:全業績ー6、分子栄養学の健康相談、より

 ビタミンCが、野菜や果物に豊富に含まれていることは、常識としてみなさんご存じのことです。野菜や果物をふんだんに食べているから、ビタミンCについては心配ないと思っている人はおおぜいいます。
 しかし、有吉佐和子が「複合汚染」に書いているとおり、ビニールハウスと農薬の使用とで、野菜のビタミン含有量は、本来の16%しかない、といわれるようになりました。これは少しオーバーな数字のようですが、野菜や果物に昔なみのビタミンをきたいするのはいけないようです。これは、ビタミンC以外のビタミンについてもいえることではありますが、一つの大きな問題として認識する必要があると思います。
 ビタミンCについてはっきりいえることは、他のビタミンとちがって、これは、合成品でもよいから、ぜひともとらなければならない、ということです。その理由はなにかというと、ビタミンCはもともと、動物がじぶんの体内で大量に作るべきものであるのに、サルに進化した段階で、それをやめてしまったという事実があることです。
 そこで、もし私たちが、じぶんでビタミンCをつくったとしたら、それはどれほどか、が問題になります。その数字は、だいたい1日2g程度で、レモンにして4kgに相当します。それだけのビタミンCがないと、私たちのからだは、スムーズな代謝ができないのです。ということは、それだけのビタミンCをとらなかったら、どんな故障がおきるか分からない、ということです。
 ビタミンCの不足からくる病気としては、風邪もあり、椎間板ヘルニアもあり、白内障もあり、知能低下もあって、いろいろです。これについては、「ビタミンC健康法」や「メガビタミン健康法」にくわしく書いておきました。興味のある方は、どうぞお読みください。
 ビタミンCをとったら結石になるのではないか、と心配する人が多いようです。なるほど、ビタミンCの一部は体内で蓚酸にかわり、それがカルシウムと結合して「蓚酸カルシウム」になります。これが水にとけにくい代物であるために、かたまって石になることがないとはいえません。
 しかし、蓚酸カルシウムが石にならないためには、ビタミンAがあればよいといわれます。腎臓や膀胱の結合組織の中にコンドロイチン硫酸があれば、蓚酸カルシウムの石をつくるようなことはおきない、と考えられています。なお、ついでにいえば、結石は胆嚢にもできますが、これは多くはコレステロールの石であって、蓚酸カルシウムの石ではありません。
 私は1日に7~10gのビタミンCをとっているつもりですが、結石ができることはないと思っています。私のまわりには、その程度のビタミンCをとっている人はいくらでもいますが、結石ができた話など聞いたことがありません。
 ビタミンCには緩下作用があるので、にわかに大量をとると、便秘がなおったり、下痢をおこしたりするケースがあります。これは、余剰分を酸化する酵素がつくられないため、と考えてよいでしょう。十分にビタミンCをとると、やがてこの酵素があらわれて、余剰を処理します。この酸化生成物には、強力な制ガン作用があるといわれます。
 ビタミンCの大量投与を急にやめると、この酵素の生成が継続するために、酸化生成物が依然としてつくられます。そして、血中ビタミンC濃度が低下し、ビタミンC欠乏の症状があらわれます。これを「反跳現象(リバウンド)」と私は名づけました。大量投与をやめるときには、2~3週間をかけてじょじょにおこなう必要があります。
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この文章は30~40年前の日本人の食生活を踏まえて書かれたもの。
当時と比べると、精製糖質を使った加工食品、砂糖の入った清涼飲料水が激増している。
品種改良で、果物野菜の糖質は増加しているが、ビタミン、ミネラルの含有量は低下している。
コンビニ弁当には、ビタミンやミネラルはほとんど入っていないと考えるのが妥当。
つまり、30~40年前より質的な栄養失調は悪化、深刻化している。

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