自然治癒の健康相談ー33,甲状腺機能低下症

三石巌:全業績ー6、分子栄養学の健康相談、より

47歳の主婦、半年前から吸気が冷たく感じ、四六時中マスクとマフラーが離せなくなりました。やがて、声がかすれ、首が太くかちかちになりました。倦怠感がひどく、目が半分しか開かないので本も読めません。膀胱炎もおき、喉が痛くて流動食しかとれず、ときどき自殺を考えています。私は若いとき扁桃腺を摘出したのですが、ないはずの扁桃腺が腫れて痛むのです。病院の検査では甲状腺が悪いと言われました。医者の薬のほかに、漢方薬から、電気治療や針もせっせとやったのですが、さっぱり良くなりません。

私のアドバイス、
 かつてルーマニアの医学者ポンチューは、自殺者の甲状腺を調べて、ほとんど例外なしにそこに異常があることを発見しました。私は、あなたの話をこれに結びつけたくなります。
 一方、あなたの年齢では、更年期障害からくる不定愁訴を思わないわけにはいきません。そこでまず、更年期に特徴的なビタミンEの血中濃度の低下にたいして、対策をたてることの急務を思います。病院の薬も漢方薬もハリも電気もけっこうですが、とにかくビタミンEの大量投与が先決条件のはずです。
 あなたの強烈なストレスにたいしても、また膀胱炎にたいしても、ビタミンCの大量投与がよいでしょう。ビタミンCを大量にとれば、一部が尿に出てゆくことはよく知られていますが、これは、ビタミンCが膀胱にたまることとを意味します。そこで、ビタミンCの殺菌作用がものをいうはずです。膀胱炎は細菌の感染症ですから。
 それから、食事内容についてですが、流動食では低タンパク食を免れません。配合タンパクでも利用して高タンパク食にすることが必要です。タンパク質不足では、膀胱炎の原因になっている細菌に対する抗体を作るのにも不自由します。抗体はタンパク質ですから。 目や消化器の状態を考えると、ビタミンAもほしいと思います。結局、ビタミンのEとCとA、それに高タンパク食ということを、私は考えます。

その後の経過、
 兄や妹が死の影をみた、というほど、当時の彼女には生気がありませんでした。でも、これまでの流動食を配合タンパクに切りかえて、それとビタミンだけの食事をしているうちに、太かった首は細くなり、かちかちはとれ、体に弾力がついた感じになりました。膀胱炎も扁桃炎もなくなり、食事らしい食事を止めてしまったのに、3ヶ月ほどで元気になったのです。おっかなびっくりテニスコートに出てみたら、一人前のプレーができて、うれしくなりました。
 目が半分しかあかなかったのは、ビタミンAを増量してみたところ、一週間もたたないうちにちゃんと開いて、本が読めるようになりました。
 半月たらずして病院でみてもらったとき、先生に「甲状腺はすっかりなおっている。あの症状はどこにいったのか、ふしぎだ」といわれました。これで、病気の問屋としての長い病院通いが終わりました。
 彼女は、若いときのようにタフで、冗談をとばして人を笑わせるようになりました。
 20代から彼女は、鼻汁が口に流れこむために、5分間に1回ほど、鉄砲のように鼻を鳴らさずにはいられませんでした。元気をとりもどしてからも、この「鼻鉄砲」はそのままだったので、私はビタミンAの鼻への注入をすすめました。鼻腔粘膜の改善をねらったわけです。これは、一週間もたたないうちに、わすれたようになおって、メガビタミン主義をあざわらっていた夫君の意識の変革にも役立ったということです。
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甲状腺機能低下症も甲状腺機能亢進症と同じく、まずは高タンパク食。
病気からの回復にはプロテインスコア換算で最低体重*1.5g。
早く治したければ*2.0。
卵1個でタンパク質6.5g程度なので、卵だけなら15~20個。
それが無理というならプロテイン。
高タンパク食+60gのプロテイン。
消化能力の強い人なら、20g*3、朝、昼、夕。
消化能力の弱い人なら、5g*12、1時間毎12回。
ビタミンはいつものようにA、C、E。

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