6、ビタミンC(その1)

Abram Hoffer:Orthomolecular Medicine For Everyone、より

ビタミンCについての基礎的な知識。
毎日10g以上服用する場合は、ビタミンCの突出を防ぐため、ビタミンEの併用が必要。

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2017.4.6 記事

ビタミンC(アスコルビン酸)(C6H8O6)は、10億年前に生物が誕生時には原始スープ(太古の海)に既に存在していた。
砂糖よりもシンプルな構造。
魚類、両生類は腎臓でCを合成している。
鳥類は、当初は腎臓で、後には肝臓でCを合成するようになった。
哺乳類も肝臓でCを合成していたが、われわれの祖先は、2500万年前にC合成能力を失った。
われわれの祖先は、果物などのCが豊富な環境で生活していた。
Cはグルコースから合成されるが、この合成能力を失うことで、このために使うエネルギーを他の代謝に使用することにより、代謝的優位性を持ち進化に寄与した。

C不足による壊血病(scurvy)は、Cが容易に手に入れられない環境(都市)で生活するようになり顕在化した。
ヨーロッパの中世の黒死病(ペスト)はC不足による壊血病により生じた。
大航海時代の船員の壊血病も同じ理由で生じた。

1.体内のC
副腎はCの含有量が最も高い。
副腎髄質での、アドレナリン、ノルアドレナリン合成にCは補酵素として働く。
副腎皮質でのコルチゾール合成にCは補酵素として働く。

白血球は十分量のCがないと十分な働きができない。
7g/dayのCが必要。

水晶体もその代謝にCを要求する。
白内障患者では、水晶体のCの濃度が下がっている。
白内障予防に高用量C服用が効果がある。

脳においても血液脳関門の維持にCが必要。
Cは神経細胞(ニューロン)のアミノ酸が酸化されることから守っている。

Cはヒスタミンを破壊する。
ヒスタミンが集積するとC不足となり壊血病症状を呈する。

Cは血管壁に沈着した異所性カルシウムを溶解して軽減する。

2.C服用で得られるメリット
Cは、30以上の疾患の予防、治療に有効である。
500mgのC服用により、心疾患による死を42%減らし、全ての疾患による死を35%減らす。
”Cは生体にとって最も安全な物質である。”

3.心疾患と脳卒中
ライナス・ポーリングは、”2000~3000mgのCを服用すれば心疾患を80%軽減できる。なぜなら殆どの人はC不足の状態に陥っているからだ”、と述べた。
冠動脈の狭窄は、6000mgのCと6000mgのリジン(アミノ酸)で、コレステロールを下げ、血管壁を修復し、改善できる。
CとEの服用により動脈硬化の進展のリスクを下げることができる。
つまり、CとEの服用により、心疾患による死亡率と全ての疾患による死亡率を下げることができる。

29万人による、10年間のC、E、カロチノイド服用による前向き調査により、700mgのC服用により心疾患のリスクは25%軽減した。

動脈硬化病変は、すなわちC不足により生じる。
7000~14000mgのC服用で、血管の異所性カルシウム沈着は溶解し、改善する。

C血中濃度が低い人は、脳卒中になるリスクが2倍になる。
Cは炎症の指標であるCRPを下げる。


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