今週の福田先生のブログ~ガンには断糖肉食+バター+ビタミン+ミネラル~

「βヒドロキシ酪酸は酪酸のHがOHに変わっただけで化学構造が似ています」
「酪酸とβヒドロキシ酪酸はともにヒストン脱アセチル化酵素阻害作用があります」
これ初めて知りました

「L-カルニチンはヒトの体内で合成されます。カルニチンの合成には2つの必須アミノ酸(リジン、メチオニン)、3つのビタミン(ビタミンC、ナイアシン、ビタミンB6)、還元型鉄イオンが必要で、これらの栄養素の一つでも不足すればカルニチンは不足することになります」
これも初めて知りました
メガビタミン+鉄
カルニチンのサプリもあります

http://blog.goo.ne.jp/kfukuda_ginzaclinic/e/a6d3a305c742293d5cfef4da60af5bf1
【がんの代替医療では副作用の少ないものから使用する】
標準治療における抗がん剤治療では、副作用が強くても、がん細胞を死滅させる効果の強い薬を優先的に使います。がんを縮小させることが最優先の目標であり、体力や抵抗力や治癒力が犠牲になっても気にしません。
一方、がんの代替医療では、副作用が少ないもの、体の治癒力を低下しないでがん細胞の増殖を抑えるものから使用します。
がんにもいろいろあり、食事療法だけで増殖を抑えられるものから、強い抗がん剤でも全く効果が出ないものまであります。したがって、効果が弱くても副作用が少ないものから、効果をみながら段階的に治療を追加していきます。
つまり、食事療法→サプリメント→医薬品の順で追加していきます。効果が出ていれば、その組合せで維持します。効果が弱ければ、さらに追加していきます。
ヒストンアセチル化をターゲットにしたがん代替医療でも、食事療法としてケトン食(ケトン体のβ-ヒドロキシ酪酸は内因性のヒストン脱アセチル化酵素阻害作用がある)や腸内での酪酸の産生を増やす水溶性食物繊維の摂取を行い、サプリメントとしてはヒストン脱アセチル化酵素阻害作用があるジインドリルメタン、L-カルニチン、アセチル-L-カルニチンがあります。これらのサプリメントはその他のメカニズムでも抗腫瘍効果や抗がん剤治療の副作用軽減効果があります。
これらでヒストンアセチル化を誘導して、さらにその抗腫瘍効果を高めるレチノイド(イソトレチノイン)とビタミンD3で細胞分化を誘導します。レチノイドとビタミンD3の分化誘導作用はヒストン脱アセチル化酵素阻害剤との併用で強化されることが報告されています。

【β-ヒドロキシ酪酸はヒストン脱アセチル化酵素を阻害する】
β-ヒドロキシ酪酸はケトン体の一種です。ケトン体は絶食などで糖質が枯渇した状態で脂肪酸の燃焼(β酸化)が亢進したときに肝臓で産生され、グルコース(ブドウ糖)が枯渇した時の代替エネルギーになります。絶食時などで日常的に産生されています。
ケトン体としてアセト酢酸、βヒドロキシ酪酸、アセトンの3種が作られますが、アセトンは呼気となって排泄され、アセト酢酸とβヒドロキシ酪酸はエネルギー源になります。
グルコースのもとになる糖質の摂取をできるだけ減らし、がん細胞の増殖抑制効果があるω3系不飽和脂肪酸(αリノレン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸)やオリーブオイルやケトン体を出しやすくする中鎖脂肪酸トリグリセリドのような脂肪を多く摂取するケトン食という食事療法が進行がんの治療に有効であることが報告されています。
ケトン食は、がん細胞にエネルギー源のグルコースの供給を減らし、がん細胞の増殖を刺激するインスリンの分泌を抑制する効果など、複数の作用機序でがん細胞の増殖を抑制します。
ケトン体のβヒドロキシ酪酸がクラスIのヒストン脱アセチル化酵素を阻害することが報告されています。2~3日の絶食や中鎖脂肪酸を多く摂取するケトン食で日常的に達成できる1~2mM程度の濃度でクラスIのヒストン脱アセチル化酵素の阻害作用が期待できます。
中鎖脂肪酸中性脂肪を多く摂取すると、糖質を1日40グラム以下の低糖質食でカロリー制限せずに血液中のβ-ヒドロキシ酪酸を1~2mM程度に上げることは簡単に達成できます。糖質摂取をもっと減らせば2mM以上に上げることができます。
ヒストン脱アセチル化酵素の阻害剤として単鎖脂肪酸の酪酸が有名です。酪酸は、食物繊維を腸内細菌が嫌気性発酵させてできます。脂肪酸の分解過程で生合成されるほか、バターやチーズや皮脂にも含まれています。銀杏や足の悪臭の原因にもなっています。
培養したがん細胞に酪酸を添加すると、増殖抑制や分化誘導が起こり、その作用機序は酪酸によるヒストン脱アセチル化酵素の阻害作用によるものです。
βヒドロキシ酪酸は酪酸のHがOHに変わっただけで化学構造が似ています。
酪酸とβヒドロキシ酪酸はともにヒストン脱アセチル化酵素阻害作用があります。 
酪酸は水溶性食物繊維の摂取を増やすと腸内細菌の発酵で増やせます。

【L-カルニチンとアセチル-L-カルニチンはヒストンのアセチル化を促進する】
L-カルニチンは生体の脂質代謝に関与するビタミン様物質です。L-カルニチンは脂肪酸と結合し、脂肪酸をミトコンドリアの内部に運搬する役割を担っています。
 脂肪酸を燃焼してエネルギーを産生する際には、脂肪酸を燃焼の場であるミトコンドリアに運ばなければなりません。中鎖脂肪酸(炭素数が8~12個)の場合は直接ミトコンドリアに入ることができますが、長鎖脂肪酸(炭素数が13以上)の場合は、L-カルニチンが結合しないとミトコンドリアの中に入ることができません。したがって、ケトン食の場合もL-カルニチンは脂肪の代謝を促進するので、有用なサプリメントです。
L-カルニチンはヒトの体内で合成されます。カルニチンの合成には2つの必須アミノ酸(リジン、メチオニン)、3つのビタミン(ビタミンC、ナイアシン、ビタミンB6)、還元型鉄イオンが必要で、これらの栄養素の一つでも不足すればカルニチンは不足することになります。


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