日本人のイライラ、足の引っ張り合いはビタミンB1不足

三石巌:全業績ー1、科学との出会いをもとめて、より
 
 ビタミンB群はビタミンCとともに水溶性ビタミンに属する。この種のビタミンの大量投与では過剰分が直ちに尿によって排出されるという説が、いわば常識となっている。しかしそれは極端な表現にすぎず、いわゆる過剰分が完全に排出されるまでにはかなりの時間を要するものであって、それまでは血中濃度を高める効果をもっている。そしてまた、水溶性ビタミンの高い血中濃度はそれ相応のメリットをもつと考えるのが正しかろう。
 ワラビ、ゼンマイなどのたぐいを半分まぜた飼料を馬に食わせた小柳達男氏の実験がある。それらシダ類にはビタミンB1を破壊するアンチビタミンが2種類もふくまれている関係上、この馬のビタミンB1の血中濃度は次第に低下する。すなわち、1週後には最初の2分の1となり、3週後には3分の1となった。生体にはビタミンの血中濃度を制御するメカニズムはないのである。
 そこにおいて、ビタミンの大量投与による血中濃度の高値が、生体にとって有利か不利かの問題がでてくることになる。むろん、ある濃度より低下すればいわゆる欠乏症状があらわれ、それの回復には血中濃度の上昇のための大量投与が必要になることは、実験をするまでもなく推察できるところである。
 前記の実験の場合、ビタミンB1の血中濃度が最初の2分の1まで低下する過程において、馬は憂うつな表情を示し、ぼう然と立って動くことをきらい、食欲は減退し、眼光はにぶった。次に血中濃度が2分の1よりさらに低下する過程において、馬は興奮状態におちいり手で触れられるのをきらい、眼光は異様に輝き、飼料の食い方は粗暴になり、横木をかじり、物を蹴った。
 3週目に入ると、後足がしびれたらしく犬のように坐ってしまい、数日後には飼料を呑むこともできなくなった。そして、ビタミンB1の大量注射によって、わずか1時間で馬は常態に復したのである。
 以上の実験について記した「食物と健康」のくだりのなかで  小柳氏は、ビタミンB1欠乏の初期には憂うつ、中期には興奮、末期にはマヒがおとずれることと結びつけて、われわれのまわりに、これらの各段階の人が見られることを指摘しているが、この背後には、日本人が慢性ビタミンB1欠乏に陥っているという見解がある。このことから、林たかし氏の日本人エンセファロパチア説を想起せざるをえない。
 エンセファロパチアとは潜在性脚気の意味であって、他人の足を引っ張る、判断力がにぶる、夢と現実とを混同する、などが主症状であると林氏はいう。これらに相当する現象が馬にあっても人間ではわかりにくい点は注意を要するところであろう。日本人のイライラもこのたぐいではあるまいかと思うこと度々である。ビタミンB1アリナミンが、猛烈な批判を受けているにもかかわらず、医家によっても素人によっても大量使用される事実は、日本人の食生活に欠陥があることを想像させる。
 わが国ではビタミンB1の1日必要量を0.3mgとする。これが食事でとれ、しかもこれだけの量でまにあう生活が普遍的にあるとすれば、イライラや足の引っ張りあいがわが国の世相の基調をなしているのはおかしい。大量投与とまでいかなくても、食後にナッツをつまむぐらいの心がけがほしいものである。ただしナッツでビタミンB1を50mgとろうとすれば、5kgという膨大な量をつめこまなければならず、食事では無理という結論がただちに出てくる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
米を食べる日本人は程度の差はあれ全員ビタミンB1不足。
まず、精製糖質、米の摂取量を減らさないと話にならない。
ビタミンB1不足は身体面ではなく、まず精神面に”精神症状”として現れる。
日本人のイライラ、足の引っ張り合いはビタミンB1不足。
家庭内不和、職場での諍い、他人への怒り、などはビタミンB1不足の関与が大きいはず。
B1不足+鉄不足があるとさらに悲惨な状況になる。
こういう人には近づきたくないよね。


元記事はこちら

{78F3322E-08B5-4E5D-8EDA-9791819F05C6}