近藤正二:日本の長寿村・短命村

昭和10年ー46年に日本中の990カ所を回り食事内容と長寿との関係を調査している
交通も通信も未発達な時代、隣接した村同士では全く違うものを食べており、それが長寿/短命に関係していた
とても素晴らしい研究、こういう姿勢は見習いたい
日本の長寿/短寿マップが付いており分かり易い
自分が生まれ育ったところがどうなのか一目瞭然
全ての人にお勧めの本です

これを世界中で調べたのが、以前紹介した家森幸男先生
その結果は、タウリン+Mg+ω3+大豆が長寿と関係している
牛肉ばかり食べるアルゼンチン人は短命
家森先生の結果と重ね合わせると非常に興味深いです

近藤先生の結果は、
1)米ばかりを食べると短命
2)海藻を食べると長寿
3)大豆を食べると長寿
4)野菜を沢山、特に人参、カボチャを食べると長寿
5)小魚貝類を食べると長寿
6)大型魚の切り身と肉食は短命
特に、ハワイに移住した日系2世は野菜や海藻を食べずに肉ばかり食べて親より短命、という記述には衝撃を受けた

もっとも、まだ肥料は化学肥料ではなく堆肥が使われていた時代、肉をあまり食べていない時代の結果で、現代人とは異なる点には注意が必要

精製糖質(米)はやはり良くない
精製糖質過剰摂取の害を日本で初めて発見したのは近藤先生だった

海藻と大豆、Mgと植物性タンパク、イソフラボンは良い(家森先生の結果と一致)

人参とカボチャ、糖質制限的には控えるものだが、未精製糖質なので糖尿病やガン患者以外には貴重なビタミン、ミネラル補給源になると解釈
しかし、化学肥料を用いている現在はどうなのか?
近年、野菜の含有ビタミン量やミネラル量は減っていると言われている
Mgが不足しているはずなので海藻をさらに増やした方が望ましいと解釈

小魚貝類、ω3、タウリン、Zn、Mg、その他のミネラルが良いと解釈

大型魚の切り身が悪いのは?マグロの水銀蓄積?
様々な魚をローテーションして食べた方が良いと解釈

肉食ばかりだと短命になるのは二人の先生の結果が一致している
これは、ω3/ω6=EPA/AA比が下がるのはやはり良くないと解釈できる
MEC食はEPA/AA比が下がるので、この点については私は疑問に感じる
チーズのカゼインもどうなのか?
大多数の人には大丈夫だろうが、一部の人には良くないのでは?
例えば、”乳がんと牛乳”という本の中では、乳がんの予防、治療には牛乳、乳製品は外すべきと述べられている
MEC食で元気なりました、でも早死にしました、ではシャレにならないと思う

結論:
毎日、卵と肉と魚を食べなさいと指導
肉:魚=1:1~2が望ましい
毎日海藻(Mg)を食べる
魚は、貝(Zn)、イカかタコ(タウリン)、サケ(アスタキサンチン)、その他をローテーションで食べるのが望ましい

夏井先生の書評を添付
http://www.wound-treatment.jp/next/dokusyo/178.htm


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