ヒト・サルは脳を発達させるためにビタミンC生成能力を捨てた

三石巌:全業績17、老化への挑戦、より

(人間もハツカネズミみたいに自前でビタミンCをつくったらよかったのに)
 もしそんなことになったら、こんな話はできませんよ。このくるまも高速道路もありません。お互いに丸裸で、チューチューとかワンワンとかいってじゃれるぐらいのことしかできないでしょうよ。
 人類は、ほかの動物とは比較にならないほどの知能をもっているでしょう。極端にいえば、これはビタミンCをつくるのをやめたおかげなんです。仮に、テニスでクタクタになったとき、自前でビタミンCをつくらなければならないとする。これはブドウ糖からつくらなければならないわけだが、まず手続きがややこしい。タンパク質が必要になるし、何より膨大なエネルギー消費があります。いわば、からだが総力をあげてビタミンCの生産にはげまなくてはならないことになります。というのは、ビタミンCの要求量が、5グラムとか、10グラムとか、バカにならない量だからです。総力をあげるということは、頭を使うことをやめるという意味なんです。つまり、自前でビタミンCの生産をたえずやるような条件では、脳の発達はありえなかったということです。サルがほかの動物よりかしこいのも、ビタミンCの生産をやめたことと無関係ではないのです。
(ビタミンCを自前でつくらないってことは、やめたってことですか?)
 進化という現象があるでしょう。サルはもっと下等なネコみたいな動物から進化したわけです。その進化にあたって、祖先の動物はビタミンCの生産をやめたんです。そして、それに使ったエネルギーを大脳の発達にふりむけたんです。そのかわり、ビタミンCの消費レベルがあがったとき、問題がおきるんです。その例がストレスです。
 サルみたいに森に住んで、木の芽でも果物でも手当たり次第に食う生活なら何とかなりますがね。人間の生活じゃビタミンCの必要量を食事でまかなうのは無理ですよ。サルだって、うまくいく季節は限られてるんじゃないかな。
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そうなんだ、脳を発達させるためにビタミンC生成能力を捨てたのだそうだ。
グルコースから何段階かの代謝を経てビタミンCが作られる。
その時に膨大な量の酵素タンパクとATPが浪費される。
その代謝を止めて、脳の発達に振り向けた。

ビタミンCの必要量は2~10g、個体差あり、状況による変動あり。
糖質制限さえしていればサプリは一切不要と言う方へ一言。
あなたは、毎日レモン40個食べているのですね。
ビタミンC2gはレモン40個。


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