性別、年代別の鉄剤による反応性

初診時にフェリチン値が低値であれば鉄剤を処方して、3ヶ月後にフェリチン値を再検します
3ヶ月後の数値の変化でその後のフェリチン値の推移が予測できます

50歳以上の女性や男性の場合、鉄剤投与で毎月約10フェリチン値が上昇します
初診時30が半年後に100近くになる計算です
つまり、約半年鉄剤を続ければ投与を中止できます
また、一旦フェリチン値が100に達すると、出血などの特殊な場合を除きフェリチン値が下がることもありません
こういう人たちに3-4年間漫然と鉄剤を続けると鉄過剰症(フェリチン>500)になります

一方、15-50歳女性では、鉄剤投与にて毎月5フェリチン値が上昇すれば良い方です
初診時15→3ヶ月後30、であれば順調に回復していると判断しています
目標フェリチン値は100としていますので、なかなか鉄剤投与が終了できない人が多いです
すなわち、鉄過剰症には成り得ません

一旦100に届いても鉄剤を中止すると急激にフェリチン値が低下して、1年後に再発する人も非常に多い
そのため、100に届いたらフェリチン値が低下しないよう鉄剤を隔日投与とします
そうすればフェリチン値が保たれます

フェリチン値が思うように上がらない人には、
1)高タンパク/低糖質食をさらに徹底するように指導します
しかし、元々少食で量が入らないという人も多いです
旦那より沢山肉を食べるように指導しても、”それは無理です”を言われてしまいます
2)鉄剤の吸収を高めるシナール(ビタミンC)を併用します
3)鉄剤をお茶やコーヒーと一緒に飲んでいないかを再確認します
お茶やコーヒーは鉄剤に吸着して体内への吸収を阻害します
4)ヘム鉄を併用します
ヘム鉄があれば鉄剤の吸収を高めると言われています
5)上記で改善しなければ、婦人科治療を依頼します
過多月経を軽減させる、場合によっては月経を止める治療が必要となります


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