精神科病院に入院となった20代の統合失調症患者も糖質制限でこんなに良くなった

症例:20代、男性
H24 大卒後IT関連の会社に就職
H25.7、広島で一人暮らしを始めた
その頃から、不安感、悪口を言われている、SNSで悪口を書かれている、考えを操られている、と言うようになった
H26.12、Aクリニックを受診、自律神経失調症との診断でワイパックス、デパスなどを処方
H27.5、会社から両親に連絡が入り、疎通不良で、一点を凝視し、声かけに無反応、落ち着きなく歩き回る、家を飛び出して自分がどこに居るか分からなくなるため、自宅に連れ戻した
H27.7、上記症状が続くため、父親に取り押さえられB病院を受診後入院となった
エビリファイ12mgで上記の病的体験は軽減したもののアカシジア(下肢がムズムズしてじっとしていられない)が出現した
不穏時のリスパダール液1mgを服用したところ、前傾姿勢、小刻み歩行、呂律困難、振戦などパーキンソン症状が出現
エビリファイ6mgに減量し、抗パーキンソン薬アキネトン1mgを追加し改善し、H27.8退院となった

H27.8、母親に付き添われ当院を受診
入院前よりかなり良くなったというものの、幻聴は時々あり、テレビで自分のことを言われている感じはある、考えがまとまらないという
アカシジアは続いており、家の中を動き回りじっとしていられない
表情は硬く落ち着きがない
一人暮らしをしていた時は、パスタ、米、お菓子など糖質ばかり摂取していたと言う
高タンパク/低糖質食を指導
エビリファイ6mg+アキネトン1mgを継続
BUN9.7、フェリチン48

H29.9、1通後、再診
糖質を減らして、卵、肉をしっかり食べていると言う
アカシジアは軽くなった
テレビもあまり気にならなくなった、前回より落ち着いたと言う
エビリファイ3mgに減量、フェルム追加

2週後、再診
フェルムは湿疹が出たため中止したと言う
高タンパク/低糖質食は継続している
アカシジアはほぼ消失
病的体験もほぼ消失、表情はしっかりしており違和感を感じなくなった
アキネトン中止、Nowアイアン(フェロケル)追加

解説:
一人暮らし後、糖質まみれの生活となり、統合失調症を発症
血液検査でタンパク不足あり、フェリチンも男性にしたらかなり低い
鉄タンパク不足のため、エビリファイによるアカシジアを生じ、リスパダールによるパーキンソン症状を生じた
入院を要するほどかなり症状は重度だった
糖質制限にて週単位で症状は顕著に改善し、減薬も可能になった
発病後2年の患者でも、正しい治療をすればこんなに良くなる
発症直後の統合失調症は一番治しやすい病気になったと言える

以下のファイルを参照を
統合失調症は糖化への耐性が先天的に最も弱い人である
 https://www.facebook.com/tokumi.fujikawa/posts/826536957462630?pnref=story


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