エネルギー代謝からみた摂食障害~摂食障害=重度の栄養障害=MEC+バター+ミネラルが有効~
(2016.1.6)

摂食障害には、拒食症と過食症があります
多くは、10代後半の女性がダイエット目的に厳格なカロリー制限を開始後に摂食障害を発症します
多くの女性は脂肪を摂取すると太ると考えているため肉などの摂取を怖がり、野菜ばかり食べるようになります
肥満への恐怖感があり、食べる事への恐怖感、罪悪感を持っています(この点が他の疾患と大きく異なる)
脂肪酸不足で好気性解糖(ミトコンドリアでのクエン酸回路+電子伝達系)機能が低下し、嫌気性解糖主導になります
ちなみに拒食症の治療では、ブドウ糖点滴ではなく、脂肪酸点滴であるイントラリポスを使います(これは理にかなった治療と言えます)

タンパク不足となるため無月経になります
脂肪不足となり嫌気性解糖主導となるためATP不足となり、糖質の過食を生じやすくなります
過食=糖質
過食がある方では体重が20~30kg変動する人もいます
つまり、タンパク不足+脂肪酸不足+糖質過多、という重度の栄養障害を来している状態です
鉄や亜鉛も不足します
欧米の栄養療法の本では摂食障害=亜鉛不足、と書かれています
亜鉛はクエン酸回路の補酵素です
重度の鉄不足となっている人も多い
電子伝達系には鉄は必須です

治療はMEC(肉、卵、チーズ)+バターでタンパク不足、脂肪酸不足を改善させることが重要です
つまり、嫌気性解糖から好気性解糖へのシフトが治療には重要となります
十分な動物性脂肪が摂取できれば糖質の過食衝動がなくなります
鉄剤やフェロケル、プロマック(亜鉛)もミトコンドリア機能の回復をサポートします

待合室に置いてある本などを読み、正しい知識を得て、食べることへの恐怖感を軽減することも重要です
診察の時には、MEC食にすれば絶対に肥満にならないことを繰り返し説明します
美味しいものを食べるのは幸せなことだという話もします

理屈では上記方法で良くなります
しかし、恐怖感が強く食行動を是正できず難治となる人も多い


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