基礎から学ぶビタミンC-6

三石巌:全業績ー8、ビタミンCのすべて、より

9.ビタミンCの抗ウイルス作用と抗菌作用
 ビタミンCにウイルスを不活性化する作用のあることは、試験管内の実験で様々なウイルスについて確認されている。表はこれの推移を示す。
 試験管のなかに、ウイルスとビタミンCとを投入したとき、そこには細胞がない。したがって、インターフェロンの生成を想定するのはむりだ。ビタミンCには、直接にウイルスを攻撃する方法がなければなるまい。
 この現象については、次のように考えられている。この環境には酸素があるために、ビタミンCは自動的に酸化する。これは、水素原子の放出の形をとるが、水素原子とともに一個の電子を失ったアスコルビン酸は、モノデヒドロアスコルビン酸に変貌する。このものは、反応性の強いラジカル(遊離基)であって、電子をよそからとってくればもとの還元型ビタミンCにもどる。
 ビタミンCによるウイルスの切断は、モノデヒドロアスコルビン酸によると考えてよいだろう。
 ウイルスの遺伝情報の担い手であるDNAやRNAが損傷をうければ、それはもはや正常な増殖をおこなうことができない。かくしてウイルスは不活性化するのである。ここで、試験管内の現象を紹介したわけだが、これと同じ事が生体内でおこることは十分に推察できる。

 ビタミンCが抗ウイルス作用を持つことは、インターフェロンによっても説明されている。英語のインターフェロンは”干渉”を意味するから、インターフェロンは干渉因子というほどの意味になる。インターフェロンはウイルスに対する干渉因子である。ある細胞がウイルスに感染すると、その中でインターフェロンがつくられ、それが周囲の細胞にとりいれられる。インターフェロンをもっている細胞は、ウイルスに奉仕することができなくなるのだ。
 ビタミンCがインターフェロンと、何らかの関係がなければ、インターフェロンをビタミンCの抗ウイルス作用に結びつけることはできないわけだが、この二つは密接に関係している。インターフェロンという物質を合成する代謝において、ビタミンCは助酵素の役割をもつと考えたい。そうなれば、ビタミンCがないとき、インターフェロン合成は不利になる。
 そういうことなら、ビタミンCは、インターフェロンをつうじて間接的に抗ウイルス作用を発揮する、と考えて良かろう。ビタミンCがインターフェロン合成を促進することは、1974年、ジーゲルによって報告されている。
 インターフェロン分子の主要部分はタンパク質である。そしてまたわれわれは、親ゆずりの遺伝情報の暗号によって、この物質の製法を知っている。したがって、その材料であるタンパク質と、ビタミンCとがあれば、必要なだけのインターフェロンがつくられてよいはずだ。

 ウイルス感染に対するビタミンCの効果は、早期に大量に、という条件を必要とするのだ。
 ウイルス感染症に対するビタミンCの大量投与を強調した先覚者はクレナーである。彼は1952年すでに、ビタミンCの抗ウイルス作用を認めたのであった。その処方では、体重70kgの成人の場合、、1回に4.5~17.5gのビタミンCを、2~4時間おきに投与する。すると、一日量は27~210gになる。

 ビタミンCに殺菌作用と制菌作用のあることは、それの発見後まもなくつきとめられた。
 ブドウ球菌、チフス菌、大腸菌、枯草菌などに対するビタミンCの制菌作用は、濃度20ppmであらわれる。
 ジフテリア菌、溶連菌、に対するそれは、濃度50ppmであらわれる。結核菌に対するビタミンCの殺菌作用は濃度100ppmで、制菌作用は濃度10ppmであらわれる。ビタミンCを服用した人の尿が、結核菌に対して制菌作用を示すことも明らかになった。これらの作用は、モノデヒドロアスコルビン酸によるものであろう。
 実際に、この目的のためにビタミンCを投与するにあたって必要な条件は、まさにその量にある。どれだけとったら、細菌感染症に立ち向かえるか、が問題である。
 増殖を阻止するに必要なビタミンCの濃度を100ppmとしてみよう。すると、体重60kgのひとなら、6gのビタミンCをとればよいことになる。個体差を考慮すれば、数十グラムという超大量もありうるだろう。
 ビタミンCの抗ウイルス作用と抗菌作用が発見されてずいぶん年月がたっているにもかかわらず、ビタミンC療法がさっぱり評価されないことを嘆く人は多いが、要するにそれは医学の本流にいない人たちの手によるために、問題にだれないのだから嘆かわしい。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 
まとめ
ビタミンCは抗ウイルス作用、抗菌作用をもつ。
早期に大量投与なら内服薬でも十分に効果がある
しかし、内服よりも点滴の方が血中濃度を高めやすいため、効率が良いはず。
C10gの点滴、感染症にはかなり効果があるのではないか?
特に、尿路感染症には大きな効果がありそう。
インフルエンザの予防接種よりC点滴10g+陶板浴の方が効果は確実だと思う。
これで2500円+1000円。


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