ムカデ退治(俵籐太秀郷 後の藤原秀郷、佐野の領主)パート1 |  ガチャガチャ おもちゃ箱
これは、むかしむかし…いまから1000年以上も昔の話。近江の国【いまの滋賀県】に藤太と言う弓の名人が居ました。ある日、藤太は琵琶湖にある瀬田の唐橋を渡ろうとして、ビックリしました。橋の上に巨大な大蛇が横たわっているではありませんか。
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大蛇はギラギラと目を光らせ、大きな口から真っ赤な舌をペロペロ出して、それはそれは恐ろしい様子でした。
普通なら怖くて身動きひとつ出来ない所ですが、藤太はなんと、平気な顔をして大蛇の背中をふんずけて橋を渡り切ってしまいました。
藤太が橋を渡り終えると、後ろから声がします。
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「もし、もし」
藤太がおや?と思い、振り返ると、白い髭の老人が居ました。
「ワシを呼んだのはお前か?なにか用事でもあるのか。」
と、藤太が尋ねると、老人は言いました。
「わたくしはこの橋の下に住む竜で御座います。貴方がとても強い侍と聞いて、大蛇に化けて橋の上に寝ておりました。貴方は噂どうりのお方だ。
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じつは向こうに見えます三上山に住む大ムカデが、ときどきこの湖に来て、わたくしどもの仲間をさらい、この辺りを荒らすのです。そして、あろう事か、私の姫までも狙うのです。このままでは竜の一族は滅んでしまいます。ですが、貴方だったら間違い無くムカデ退治が出来ると思います。どうか、引き受けて下さい。」

竜神の熱心な言葉に心を動かされた藤太は快くムカデ退治を引き受けました。安心した竜神は琵琶湖の底にある立派な御殿に藤太を招きました。御殿には乙姫が待ち受けて山のような沢山のご馳走を出してくれました。
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しばらくすると辺りが暗くなってきました。いよいよムカデが、出てきたのです。「藤太さま、どうか、私達を助けてください。」と言う乙姫の言葉に、藤太は弓矢を持って、戦いに行きました。そして、竜神の指差す方に三上山を包み込むような大きなムカデが、ギラリと目を向いていたのです。
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藤太はムカデに向かって、一本二本と思い切り矢を放ちました。ところが、一向にに効き目がありません。
矢はもう、あと一本しか残っていません。大ムカデはうなり声を上げながら、どんどん近づいてきます。
「これは弱った、どうしたものか」  さすがの藤太も、少し慌てました。
「なにか弱点でもあればいいのだが…。お!そうだ、忘れていた」
藤太は三本目の矢の先を口に入れると、たっぷりと魔除けの唾を付けました。魔物と言うものは、人間の唾が大嫌いなのです。その矢を弓につがえると、力一杯引き絞り、
「これでもくらえ!」と、放ちました。
 矢は唸りをあげて飛んで行き、大ムカデの額へと食い込みます。
「ウギャーーー!」
と言ったかと思うとムカデは苦しいのか何度も、何度も、のた打ち回りました。
その凄まじい事と言ったらありません。やがて、瀬田川を真っ赤に染めて、沈んで行きました。
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竜神も乙姫もそれを見て、大変喜び、お礼として、宝物を差し出しました。

その中にいくら使っても無くなる事の無い俵があったので、それからは、俵藤太秀郷と名乗るようになったそうです。また、宝物の中には、のちに三井寺に納められた大きな鐘もありました。
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 その後、藤太は現在の佐野市あたりの領主として、立派に国を治めました。

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