読書感想文/菊地秀行の『吸血鬼ハンター(42)D-魔王谷妖闘記』 | たろの超趣味的雑文日記〜本と映画と音楽とBABYMETALその他諸々

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菊地秀行の『吸血鬼ハンター(42) D-魔王谷妖闘記』(朝日文庫、2024年2月)を読了。

 

 

◯あらすじ(本書の表4より)

峻険な頂にそびえるターケル城は訪れた者は皆帰らぬ人となる魔の城である。ダナム、ラジュ、セイゲン、“ポンポン”タキギのゴーント四兄弟は、宝捜し屋として城へ向かう。一方、調査団で唯一城から生還した少年カナンは何者かに攫われる。ターケル城が実は二代目の城だというその意味とは?

 

このシリーズの最新刊を読むたびに何度も「そろそろ潮時ではないか?」「惰性で物語を続けているようにしか思えない」と思ったものだが,今回も同じくである。

 

とにかく全体的に散漫な印象。主人公であるDの凄みや超人っぷりが薄れてきた。物語の主役はDではなく,他のキャラクターたち(彼らの視点で物語の大半は進む)。上に引用した通り,裏表紙に乗っているストーリーの紹介文に「D」の文字が一文字もないのはその象徴と言わざるを得ない。ストーリーテリングも丁寧とは言えず,かなり大雑把。状況把握が難しく,いったい何が起きているのかが理解しにくい場面も多い。作中でDは一億光年のかなたにある星に飛ばされたが,いったいどうやって帰還したのか?(描写が一切ないので不明)

 

悲しいかな,1作目から読み続けているシリーズなので今さら中断する勇気がない。愚痴をこぼしながら完結を迎えるまで伴走し続ける決意である。