たろの超趣味的雑文日記〜本と映画と音楽とBABYMETALその他諸々

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趣味的なことを中心に,いろいろと思ったことを徒然なるままに語ります。映画/本/スポーツ/世の中/旅行/音楽(ヘヴィ・メタル)/BABYMETALなど。

菊地秀行の『吸血鬼ハンター(45)D-殺戮貴族』(朝日文庫,2026年)を読了。

 

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○あらすじ(本書の表4より)

殺戮を繰り返すデルボーら6人の貴族が,かつて,支配者のラージェイカー男爵を滅ぼした村――シューマッソーに集まってきていた。一方,“もどき”ジーラの処分の依頼を受けたDは,彼女の能力を知りその故郷へ送り届けることに……。ふたりの旅,そして6人の貴族の新たな闘いが始まろうとしている。

久しぶりに終始Dが活躍する話だった。超絶な戦闘力が発揮されるシーンはそれほど多くはないものの(発揮するまでもなく,とてもあっさりと難敵を屠ってしまう),ここ何作かはDの「脇役感」が半端なかっただけに,派手な活躍はなくともストーリーの中心にちゃんとDがいるだけで良い。こうでなくちゃ(主人公なんだから)。

 

心理描写は薄く,絵コンテを言語化したかのような展開は相変わらず。また,比較的多くの濃いキャラが出てくる割には人物関係の説明がやや希薄なので,あるキャラが突然存在感を放って喋り出すと「これ誰だっけ?」となることもしばしば。テンポの良さの裏返しと言えるだろうが,もう少し丁寧に話を進めてほしかった。

 

ところで『吸血鬼ハンターD』は創刊43年を迎えたそう。長く続けばいいというわげではないが,それでも43年というのはすごい。

 

 

松岡圭祐の『令和中野学校III スパイ防止法』(角川文庫,2026年)を読了。



◯あらすじ(本書の表4より)

公安の諜工員候補生である燈田華南(とうだ・かな)が、先輩の東雲陽翔(しののめ・はると)と納堂暮亜(のうどう・くれあ)と共に就いた任務は、新潟で陸揚げされたコンテナ12本分の特殊建築用素材の行方を追うこと。税関を問題なく通過したものの、公安で精査した結果、その資材で兵器用レベルのプルトニウム精製工場が建てられると判明したのだ。物流業者のシステムでは配送完了となっているが、現在は所在不明。不審な企みが進行する中、華南たちは真相を突き止められるのか――本格青春スパイ小説。

 

相変わらずの過激なバイオレンス路線。アクション映画さながらの派手なシーンが次々と繰り広げられ,エンターテインメントとして十分に楽しめる。テンポよく展開していく物語には勢いがあり,面白いことは間違いない。

ただ,その一方で少し残念に感じたのが,令和中野学校に在籍する「諜工員候補生」ならではの魅力が,シリーズ3作目にして薄れてきていることだ。

もちろん,シリーズを先へ進めていく以上,いつまでも舞台を「学校」に留めておくわけにはいかないのだろう。それは物語の広がりを考えれば,ある程度は仕方のないことなのかもしれない。

それでも,個人的には「学校」で学ぶ「諜工員候補生」という設定こそが,このシリーズをほかの作品とは違うものにしていた大きな魅力だと思っている。何といっても書名は『令和中野学校』なのだ。その独特な設定に惹かれてシリーズを読み続けているだけに,その要素が薄くなっていくことには寂しさを感じる。

派手なアクションや謎が謎を呼ぶ展開そのものは面白い。しかし,それだけが前面に出てしまえば,ほかの松岡作品との差が見えにくくなり,「令和中野学校」でなければ味わえない面白さまで薄れてしまうのではないか――そんなもどかしさが少しだけ残った。

このまま類型的な暴力的スパイものへと向かっていくのか。それとも,ここからもう一度「学校」と「諜工員候補生」という,このシリーズならではの魅力を見せてくれるのか。

「令和中野学校」らしさが今後どのように描かれていくのか。次作に要注目だ。