冲方丁の『マルドゥック・アノニマス 11』(ハヤカワ文庫,2026年)を読了。特殊能力を有する”超人”たちの抗争をスケール大きく描いたシリーズの第11弾である。
◯あらすじ(本書の表4より)
エド・ゴーリーに扇動されたラスティは、ナタリアらを人質に取りリバーサイド・ホテルに立て籠もった。〈イースターズ・オフィス〉と〈クインテット〉、警察は共同戦線を張り、人質の奪還と容疑者の確保に挑むことに。双方の血で大地まで赤く染まる激戦の最中、アビーがバロットを庇って負傷してしまう。我を失ったバロットの怒りが「殺さない、殺されない、殺させない」という15歳で誓ったルールを呑み込もうとしていた。
いよいよクライマックスに向けて物語が加速してる。しかし,相変わらず登場人物がものすごく多いので,人物関係がよく分からないままストーリーを追うことになりがちだ。このシリーズは今のところ1年に1冊のペースで刊行されているが,このスケールの物語を1年間隔で読むのはさすがにきつい。せっかく把握した登場人物の複雑な関係図や入り組んだストーリーの構図は,翌年に続編を読む頃にはほぼ記憶に残っていないのだ。理想としては,数巻前に戻って何冊か再読してから続編を読み始めるべきなのだろう。
それにしても,よくぞここまで複雑な世界を構築したものだと感心する。骨太なストーリーと多種多様なキャラクター,そして何より迫力満点の戦闘シーンが魅力のこのシリーズは,ぜひNetflixにアニメ化していただきたい。



