【レビュー:またしても時代を先取り!】GENEXUS / FEAR FACTORY | たろの超趣味的雑文日記〜本と映画と音楽とBABYMETALその他諸々

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2015年9月19日 TEXT By たろ a.k.a. TAROMETAL

GENEXUS / FEAR FACTORY
2015年8月7日発売

インダストリアル・メタルの最高峰FEAR FACTORYの10thアルバム”GENEXUS”。

ジェネクサス【歌詞対訳付/日本語解説書封入】/ワードレコーズ

¥2,700
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メンバー同士のゴタゴタにより2002年には解散の憂き目にあったFEAR FACTORY。2004年に再結成されたものの,その後にリリースされた4枚のアルバムはややインパクトに欠けていたと思う。前作”THE INDUSTRIALIST”のドラムが全曲打ち込みだったのは,バンドの迷走を象徴する出来事だったと言えよう。

そのFEAR FACTORYが,迷いを断ち切って久しぶりに輝きを取り戻したのが本作だ。

個人的には1998年リリースの4th”OBSOLETE”が最高傑作だと思っているのだが,”GENEXUS”はそれに匹敵するクオリティだと言っていいだろう。

リズム・ギター,ベース,ドラムが一体となって同じリズムを刻む独特の楽曲はもちろん健在。硬質でヘヴィなサウンド,聴く者をアジテートしてやまないヴォーカル,そして何より,このバンドを象徴する「近未来的」かつ「メカニカル」な作風。これぞFEAR FACTORYだ。

それにしても,FEAR FACTORYは今から23年前の1992年に”SOUL OF A NEW MACHINE”でデビューして以来,一貫して「近未来的」「時代を先取りする」と言われてきたわけだが,よくよく考えて見ればこれは凄いことだ。

迷走しながらであっても常に前進・進化をし続けなければ,あっという間に取り残されて時代遅れになってしまう。20年以上にわたって進化し続けることが,どれほど困難なことか。

そして,ITテクノロジーが急激に社会を覆い尽くす現代の社会にあって,常に「近未来」を描き続ける強靭なスピリット。時代に合わせて成長するのではなく,常に時代の半歩先,一歩先を見つめて歩み続けることの偉大さ。

FEAR FACTORYのそんな凄みを感じさせる,久しぶりの快作だと思う。