米国、フーシ派のテロ組織指定を解除も-船舶への攻撃停止が条件 Bloomberg 

Sam Dagher 

2024年4月4日 2:34 JST

 

抜粋

 

イエメンの親イラン武装組織フーシ派が紅海周辺を航行する船舶への攻撃をやめれば、テロ組織の指定を解除することも米国は検討すると明らかにした。

 

  米国のレンダーキング・イエメン担当特使は3日、「外交による出口を見いだせることが自分の願いだ」とオンラインで開いた記者会見で発言。「それは対立を緩和させ、最終的にはテロ指定を撤回することができるようになり、フーシ派の軍事拠点に対する攻撃も当然終わらせる方法を見いだすことだ」と続けた。

 

  米国は3カ月近くにわたりイエメンのフーシ派拠点への空爆を続けてきたが、特使の発言はバイデン政権が再び外交手段に傾いていることを示唆する。米政府はフーシ派の軍事能力を弱めたと主張するもののフーシ派による船舶へのミサイルやドローンでの攻撃はやんでいない。

 

  ブルームバーグ・ニュースは会見後、フーシ派に船舶への攻撃を停止する代わり、テロ組織指定を解除する提案を米国は持ちかけているのかと質問した。これに対してレンダーキング氏は、「それを確かに検討はするだろうが、自動的なものではないと思う」と述べた。

 

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フーシ派の攻撃は止まる気配など微塵もない。 連日の米軍の「戦果発表」にもかかわらず、フーシ派が戦力のダメージを受けている兆候はない。

 

そして米軍は、費用対効果では破滅的に分が悪い戦闘を強いられており、フーシ派の紅海封鎖解除など夢のまた夢だ。

 

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04.04.2024 
HOUTHIS ATTACK DESTROYER IN RED SEA, 
U.S. ARMY TARGETS AIR DEFENSE SYSTEM IN YEMEN

(ttps://southfront.press/houthis-attack-destroyer-in-red-sea-u-s-army-targets-air-defense-system-in-yemen/)

フーシ派が紅海で駆逐艦を攻撃、

米軍はイエメンの防空システムを標的に

 

以下抜粋翻訳 by Kotaroe

 

イエメンのフーシ派 (アンサール・アラー) は4月3日、紅海で米海軍のグレイヴリー・アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦を標的にしようとした、と米中央軍 (CETCOM) は発表した。

 

発表された声明の中で、米軍司令部は、USSグレイブリーと他の米中央軍がイエメンからフーシ派によって発射された対艦弾道ミサイル1発と自爆無人機2機を成功裏に交戦し、破壊したと述べた。

「米軍、連合軍、民間船による負傷や被害の報告はなかった。」と同司令部は4月4日に発表した声明で述べた。

米中央軍は同じ声明の中で、イエメンのフーシ派支配地域で移動式地対空ミサイルシステムを破壊した、と発表した。

「これらのシステムは、この地域の米軍、連合軍、商船にとって脅威であると判断された。」と同司令部は述べた。「米中央軍は、航行の自由を保護し、連合国と商船のための国際水域をより安全で確実なものにすることに専念している」。

フーシ派は昨年11月以来、イスラエルのパレスチナ・ガザ地区での戦争と包囲攻撃に対応するため、紅海とアデン湾でイスラエルと提携しているか、米国と英国が所有する数十隻の船舶を攻撃している。

フーシ派を抑止するため、米英軍は1月からイエメンのフーシ派が支配する地域を爆撃している。

 

フーシ派は多少の損失を被ったが、イスラエルとその同盟国に対する軍事作戦を続けることを決意しているようだ。

国際クッズの日を前に、フーシ派の指導者アブドゥル・マリク・アル-フーシは、彼のグループはパレスチナの大義への支持から 「妥協も後退もしない」 と述べた。

フーシ派はいくつかの損失を被ったにもかかわらず、イスラエルとその同盟国に対する軍事作戦を続けることを決意しているようだ。

国際クッズの日を前に、フーシ派の指導者アブドゥル・マリク・アル=フーシは、彼のグループはパレスチナの大義への支持から 「妥協も後退もしない」 と述べた。


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米英軍による「繁栄の守護者作戦」が開始された時に、「これでフーシ派はせん滅されること間違いなし」と気勢を上げていた自称保守老人性痴呆症(若年性痴呆含む)の人々が、海外でも国内でもたくさんいた。 それを目にして、私は「こういう人々はAIに取って代われるんだろう」と思った。 

 

しかし、こうなることは、人類の平均以上のIQを持ち、フツーの学歴とが学力がある人間なら予想がついたはずだ。

 

 

 

 

上記過去記事で述べたことを引用する。

 

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1発200万ドルのトマホークを、どれだけ米軍が使ったのか定かではないが、メーカーから米軍への供給数を上回る消費量であることは確かで、米国内にも、費用対効果の懸念、他地域での有事への対応力の低下を懸念する声が出ている。

 

英海軍に至っては、自国艦船同士の衝突、被害を受けた軍艦の撤退、運用可能な軍艦数の限界を露呈するなど、ひどい有様だ。 NATOの演習に参加予定の空母「プリンス・オブ・ウェールズ」が、不具合で急遽参加取りやめになるなど、かつて7つの海を制覇した大英帝国海軍の面影はない。

 

そして、やはり広大な砂漠地帯に展開するフーシ派のミサイル発射台の位置を正確に把握してせん滅していくことは不可能に近い。 8年間に及ぶサウジ軍の爆撃に耐えたフーシ派のタフネスぶりを甘く見過ぎた。

 

結局、イエメン爆撃の度に戦果を強調してきたが、予想通りに単なるプロパガンダだった。

 

たとえ、1週間に1回でも紅海通行の船舶が攻撃を受ければ、民間商船にとって重大な脅威になる。米英軍の攻撃によって、イスラエル関連から米英艦船までフーシ派の攻撃対象を広げさせたことは、明らかに戦略ミスだ。

 

 

 

また米軍は、フーシ派のミサイル発射拠点を攻撃した、と発表しているが、フーシ派の発射拠点とは?

 

Photo EDR Magazine

                        Photo Bloomberg                          

米国の支援を受けたサウジとの8年間の戦いの間、フーシ派はこれらの「米軍の言うところの」発射拠点を多数維持ししてきた。 民間トラックを改造したこれらの発射車両は、素早い、長距離の移動が容易であり、これらの車両の数多のシェルターが支配地域にあることは想像に難くない。

 

暫くの間、米軍は攻撃を続け、「戦果」を発表し続けるだろうが、真実の効果は押して知るべしだ。

 

私は、シリア、イラクの米軍基地が述べ140回以上攻撃を受けたにもかかわらず、死者が出ていないとする米軍の公報も、全然信用していない。 

 

想起すべきは、ウクライナのキエフ政権の嘘八百プロパガンダを指導したのは、米国情報機関であることだ。

 

しかし、たとえ虚偽情報拡散で広報合戦に勝っても、現実の戦況は全く変えられない。

 

あまりにもふがいない状況が続くと、ヒステリーを起こした米議会の戦争狂が「核を使え」と、また騒ぎそうだ。 頻繁にその種の発言が出てくるようだと、それは米軍事力の衰退を世界にアピールすることになるが、大概の戦争狂は頭が悪いので、そう思われていることに気づいていない。 

 

損得勘定で合理的な思考が求められる。 あらゆるコストを考えて、イスラエルに停戦を強要することが、最も妥当な解決策だ。 そう考えられない向きは、狂気に支配されているか、痴呆が進行している。 あるいは、生来、頭が悪いのだ。

 

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ということで、困ってしまった米国は、「ねえ、ねえ、テロリストのラベルを貼るのを止めるから、攻撃を止めてくれないかなあ?」とフーシ派に持ちかけているわけ。

 

これで効果がなければ、いよいよイスラエルに停戦を強要するしかない。 でも、そうなれば、フーシ派の戦略が正しかったことを証明してしまう。 それでは西側の盟主の面子がつぶれる。 

 

でも、近年の歴史を振り返れば、米国は面子がつぶれても、ベトナムやアフガニスタンから最後は撤退したんだよね。