オペルクリカリアの輸入株・・・生きる?生きない? これヤバくない? | コタブロ日記   多肉植物・ヤシ・蘇鉄・猫好き集まれ~!! 

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※2019年5月現在、オペルクリカリア・パキプスに関する気になる情報がありますので、ちょっと記事にしてみたいと思います。

 

最近、オペルクリカリア購入に関して、複数の方から気になる情報提供とご相談を受けることが多くなりました。

 

2014年の過去の記事で、オペルクリカリアの輸入株・・・生きる?生きない? 買う?買わない?…という記事を書きましたが、これに関する補足説明を行います。

 

最近、ネットショッピングやオークションサイトでオペルクリカリア・パキプスが出品されているのを良く見かけます。

 

これらを買った方から、ブログのメッセージ欄やコメント欄、植物イベントの会場で活着トラブルに関して相談されることが、非常に多くなっています。

主だった相談内容としては、幹は緑色なのだが、いつまでたっても葉が生えてこない。

しばらくしたらオペルクリカリアの幹肌が萎んで来たり、色が悪くなってきたりしたので鉢から抜きあげてみたところ、根が腐っている、もしくは株元からバッサリと切り落とされていて、そもそも根が無かった・・・なんていう、にわかには信じられないようなご相談内容です。

 

過去のブログにも書いていますが、わたしも過去に同様の状態のオペルクリカリアを多数個体活着実験していますが、いままで(ほぼ)1株も生き残っていません。

なぜ(ほぼ)・・なのかというと、過去に写真のこの株だけは生き残ったからです。

ただ、この株は他の実験株とはやや入手経路が違います。

 

この株は業者さんの販売棚にあった株で、生きる可能性がかなり低い代わりに格安で譲っていただいた個体なんです。

つまり業者さんが、まだ生きるかもしれないと判断した個体ということ。

 

他の活着しなかった実験株は、業者さんが生きないだろうと判断して捨てたモノを、廃棄株の山から拾っていただいてきたものなんです。

つまり、生きるかもしれない株とは大違いということです。

 

しかし、その廃棄株を良く見てみると、明らかに緑色の肌をしているものもあり、なんでこんなに元気で生きそうな株を廃棄してしまうのか?っと不思議に思ったものですが、その理由は後でわかりました。

 

ポイントは根の状態なんです。

 

そこに廃棄されていたモノは、肌は健康そうですが、すべて根が萎れて生気を失っていたり、切り口断面が数センチにもなる、明らかに根無しのものなどでした。

 

稀に切断面が大きくても、断面にカルスが形成されているようなものは下記のデロニクスの記事のように生きる場合もありますが、廃棄株の多くは切り口が萎れてしまっていました。

 

発根ホルモン剤や発根につながるアイデアなど思いつくままに試しましたが、この状態になってしまったものは私の所ではひとつも生きなかったのです。

(わたしがヘタクソと言われてしまえばそれまでですが・・・。)

 

業者さんはこれらの株を、お客さんに提供できない株と判断して『廃棄』したのです。

 

ですが、最近のみなさんの話を聞伺っていると・・・どうもこういう株が市場に出まわっているのでは?・・・という疑問が湧いてきてしまいます。

 

今はネット全盛で、個人で植物を輸入して販売する人も大勢います。

悪気はなくても、事情を知らない個人輸入者が販売しているものの中に、こういったいわゆる『終わったオペル』がないとも限りません。

 

中には自分用に輸入したけど、なんかヤバそうだからごまかせるうちにオークションで売っちゃおう・・・なんて人もいないとも限りません。

それがネット社会の怖いところです。

 

通常価格よりも安く出ているからと、うっかり入札してしまいがちですが、入札前に一呼吸おいて冷静に判断してみてください。

 

鉢に植え込んであるけど、根は大丈夫なのか?と、入札前に出品者に質問してみるのも良いかもしれません。

 

いままで私はそこそこの数のオペルクリカリアを見てきていますが、鉢に植えられた株の場合は、直接手に取って見てみても、確実に生きる個体を判別するのは不可能なので、ましてや画像でしか判断できない個体なんて、怖くて怖くて私はとても・・・。

 

とはいえ、私の見立てでこの株はお買い得だな~っと思うものがあるのも事実。

オペルクリカリアのネット販売が、すべて悪と考えるのは間違いです。

良い品もたくさん見受けられます。

 

 

けっして安くはないオペルクリカリアですから、情報や経験が少ない状態で手を出すのは、それなりのリスクがあるということを、皆様にはあらためて認識して購入を検討してほしいと考え、お節介ながら情報提供させていただきました。

 

以下に2014年に書いた記事を再投稿いたします。

 

どうやらこの記事はかなりの方が読んでくださっているようですので、追記情報も含めてあらためて読み直していただき、今後のオペルクリカリア入手に役立てていただけたらと思います。

 

例:こんなに元気そうな株ですが、鉢の中の根は死んでいます。

 

次回、もしもオペルクリカリア・パキプスの、根のないぶった切り個体を譲り受けることが出来た場合には、唯一実験していない水耕栽培にチャレンジしてみたいと思います。

 

 

 

(2014年9月の記事)

 

 

最近、ちょっとマダガスカルからの輸入コーデックスのことについて、いくつかご質問が寄せられることがあったので、シロート知識ながらに自分なりの考えを書いてみようかと思います。

まずはオペルクリカリア・パキプスの輸入株について。
これの活着に関しては、私も過去にかなり痛い経験があります。

まず最初に言えることは、高価でも根付いている確実な株を買うことをオススメします。

なぜかというと、オペルクリカリアというものは、いったん活着してしまえば非常に強い植物なのですが、現地から根を根こそぎ切られた株というのは、かなり活着率が悪いものだからです。

 
業者さんで売っている活着株が高価なのは、数十株の仕入れに対してのロスト(枯死)がハンパな数ではないからです。
聞いたところによるとオペルクリカリアに関しては10分の1程度の生き残り率だそうです。


※近年では輸入技術の進歩により、活着率は3割程度まで上がっているようです。

あくまでも確率の話ですが。

業者さんもかなりのリスクを背負って輸入に挑戦しているということですね。

あまり知られていないことなのですが、オペルクリカリアという植物は、根っこにサツマイモ状の地下茎をいくつもぶら下げて生きています。

 
 
 この写真の株はその一部が残っているもの。


緊急事態の時にはここからエネルギーを摂取するのでしょう。
ところが輸入の際に、なぜかこの部分をすべて切り取った状態で入ってきてしまうんです。
(たぶん現地の人が地面を深く掘るのを嫌って、株のすぐ下から根を切ってしまうからだと思われますが。)
(または梱包サイズや重量を抑えたり、鉢植えにすることを考えた結果かもしれません。)
これでは活着しませんよね。
イモそのものに活力がある場合はまだ良いのですが。

現地採取されてから地元のファームに地植えされ、根も良く張っていないうちに狭い箱にぎゅうぎゅうに詰められて出荷され、通関手続きやら検疫やらでしばらく空港の保管庫でゴロゴロと転がされて放置され・・・と・・・。

地下茎のエネルギーがあっても厳しいものがあります。





では、ここからは購入する際の株の見分け方について。

先にも述べましたが、すべての株が枯れてしまうわけではありません。
むしろ活着後は、基本的な管理方法をとっていればまず枯らさない・・というほどに丈夫な植物です。

10分の1程度の活着率の1の株を手に入れるためには、いくつかの知識が必要になります。
簡単にですが、いくつかの注意点を書いてみました。

①イモの重量は重いか?
②イモの幹(コブ)の色はみずみずしくて、水をかけた時に緑色っぽいか。
③枝がカラカラになっていないか。発芽点に芽の膨らみはあるか?
④直感的になんかヤバそうに見えないか?(直感は大切)

では次に具体的に写真を見てみましょう。

 たとえばこちらの株。
(無料で)頂いてきたときは重量もたっぷりあり、幹のコブも緑色ではないにしてもある程度の張りを残していました。
生きたらラッキーだぞ!!・・・と、邪な考えで頑張ったのですが、最後にはキノコが生えてくる始末・・。




 
 
アップで見てみるとこんな感じ。





 これに水をかけてみるとこんな感じ。


 


 
さらにアップ。
一見すると幹のコブに張りがありそうですが、良く見てみると緑っぽさや艶がありません。
これは危険な株の例です。





つづいて、活着した株です。

購入当日の写真。
上から見たところですが、葉は生えていませんが、全体的に緑色っぽくて株に張りがあります。




  
これを水に濡らすと・・。

  コブがつやつやしていて、一部が緑色っぽいことがわかります。
こういう株は活着しやすいです。

ただ、必ずしも緑でないからと言って活着しないわけではないようです。
今まで見た株のなかには、見た目が灰色っぽいまま発芽しているものもありました。
もっともその株は枝が水分をしっかり蓄えている顔色をしていましたが・・。
可能であれば、枝の一部を切らせてもらうのも良いかもしれません。
生きている健康な枝であれば、切り口が緑色をしています。




つづいて、これらの株から芽が生えてきたときの、おおまかな根の張り具合いの見分け方。

 
 春にオペルクリカリアの太い枝を切り取って挿し木してみたもの。




 
 これにも芽が生えてきていますが、この時点では幹に残っているエネルギーを使って発芽しているにすぎません。
まだ根が生えていないので、どこか葉に活力が感じられません。


 

 これに対して、根が張ってきた株の枝葉はこんな感じ。
葉に元気があって、根から吸い上げた水の力で枝まで伸び始めています。
経験上ここまでくればもう大丈夫。

パキポディウムや他のコーデックスも、だいたいお同じ判断基準です。

枝葉に勢いが出てきたかが見極め基準・・・かな?。
 


 
  
この株も、もともとは生きるかどうかわからないけど、そのリスクの分だけ安くしていただいたものなんです。

業者さんがイモを安くする→生きるかどうかわからない株。
・・・ということです。

もちろんご好意で安くしてくださることもあるので、すべて悪意にとらないでくださいね。

運が良ければ活着するかな・・・と、ある程度割り切るしかないです。


私の場合には、それでも、一目惚れしちゃうような株に巡り合った時には、リスクを覚悟で買わずにはいられなくなっちゃうんですよね。

昔、それでさんざん痛い思いをしたはずなのに、また未発根の株を買ってしまうとは・・・。
ほんとにもう・・・。

ま、今回は結果オーライでしたが。



個人的には、高価でも完全に活着したものを買うことをお勧めいたします。



しかし、これだけ痛い思いをすると、『植物の顔色』が、だんだんとわかるようになってくるもので、他の植物購入の判断にも役に立っています。


たとえば、デロニクス・プミラの大株。

 
現地の人の採取の仕方が悪かったらしく、根が全くない・・・というか、ほとんど挿し木と言っても良い状態で輸入されてきました。

業者さんも、これではちょっと生きないだろう・・と判断して、超格安で私に販売してくださったんです。

この際にわたしがしチェックしたのは、株の重さ+切り口の状態(すでにカルスを形成)+幹肌の顔色でした。

この条件を満たしていたので思い切って購入してみました。

そして植え込みです。

 
植え込みというよりも、土の上に置いただけ・・みたいな感じです。
ほどなくして弱弱しい葉が生えてきました。





 
そして、なんと花まで咲きました。
ちょっと驚きです。

・・・しかし、調子が良かったのもここまで。
晩秋になった頃には葉がすべて枯れ落ちてしまいました。

温室から自宅に運ぶ際にアクシデントで幹が倒れて発覚した未発根!!

ショックでした。

それでもまだあきらめきれずに自宅サンルームに持ち込み、越冬管理に切り替えをしました。



 今年からは管理方法を変更して見事に復活させることに成功いたしました。

結果は以前のブログでもお伝えした通り。

 

 


春の芽生えの時期には、ベンジルアデニンやら、メネデールなどの薬剤も少々使っておまじないをしてみましたが、これが発根に貢献したかはわかりません。

あと一つ大切なこと。
活着するまでは、けっして地べたに鉢を直接置かないでください。
そうしないと、鉢底の穴から様々な微小生物が入り込み、オペルクリカリアに至っては、傷口から侵入されて、あっというまに内部から浸食されてしまいますので。これは絶対にNGです。


私が今年の春に気を付けたのは、とにかく鉢を動かさないこと。
見えない鉢の内部では、変化がないように見えても微細な根が出てきているかもしれません。

このような時に鉢を動かしたら、たちまちに根がちぎれてしまいます。

辛抱強く見守ることが大切です。

それともう一つ。
イモを暖めてあげようと、屋外直射日光に当ててしまうことがあると思いますが、これも場合によってはNGです。

イモの表面ばかりが高温になって、イモ事態に負担がかかってしまいます。
最悪の場合は、幹の表面から水分が奪われて枯れてしまいます。

ではどうしたら良いのか?

 

私の場合はイモをサンルームに置いて、株の上には寒冷紗代わりに不織布を二重掛けにして遮光し、イモの内部までが温まるように管理していました。

 
  

温度は日中が30~40℃、夜間が25℃くらいです。
発根するまで鉢には一切触らずに、受け皿に水が溜まらない程度に、こまめに水やりをしていました。


最後にパキポディウムについてですが、これに関しても基本的には上記の取り扱いと同じなのです。
今までの私の経験では、秋口の涼しくなってきたころに購入したパキポディウム・グラキリスがハウスの中で葉を出して動き出すことがありました。
日本でいうところの秋は、南半球にあるマダガスカルで言うところの春に当たるため、特定の条件が整った時に、春(雨季)がやってきたと勘違いしたパキポが動き出してしまうものと思われます。
この場合は加温装置がある場合にはそのまま動かしてしまい一気に根を生やしてしまうのが良いでしょう。
無加温の場合には、関東以南では真冬になる前まではそのまま動かして、ある程度根が生えてきたところで、徐々に水を減らして越冬させるのが良いかもしれません。

あと、良く聞かれる質問で、コーデックスを屋外管理していて、梅雨時は大丈夫なのか?・・と聞かれることがあります。

これに関しての回答は少々難しい・・。

というのも、栽培環境とコーデックスを植えてある土の配合によって様々だからです。

私の所(神奈川県)の環境は、日照良く、風通りもまずまず。

土の配合は赤玉土5、鹿沼土2、パーライト1、ピートモス0.5、ゼオライト0.5、園芸培養土1くらいな配合で植え込んでいます。

もちろん植物によって配合率が違うので、一概には言えません。

要するに、水はけが良くて、根回りに酸素が取り込まれやすい土質であれば、意外と梅雨時の長雨も大丈夫だということです。

ただし、アデニア・ペチュエリーなどは軒下に避難させたりと多少は気にかけます。

・・・でも、今年は出しっぱなしだったな~。

これもイモの顔色次第で判断するしかないですね。
毎日眺めていると、なんとなくわかってくるものです。


ここで述べた管理方法は、横浜を基準にした私個人の考え方でしかないので、
あくまでも参考程度に考えてください。

プロの方や諸先輩方のご意見も、必ず聞いてみてくださいね~。

ではでは。