「マスカレード・ホテル」(東野圭吾)
人を疑うことがベースの刑事、「お客様の言うことがすべて正しい」がベースのホテルマン、という2人がペアを組み、次々に現れる変わり者のお客様への対応を通じて、あるいは徐々に進む殺人事件の謎解きを通じて、お互い理解し合い、助け合いながら、信頼を深めていく。
とても良くできたストーリー設計だ。ただ、最初は反発していた2人が最後は息の合ったチームワークで悪に勝利する、というのはよくあるパターンではある。途中ハラハラ感はありつつも、ラストがなんとなくイメージできてしまうので、安心して読めた。
そういった理由からか、逆に東野圭吾さん作品の中では満足度低め。退屈なところもなくスイスイ読み進めたし、楽しめたのだが、少し軽いというか、どこか深みに欠けるというか、のめり込み切れなかった。そんな感じだ。ラストのインパクトも東野圭吾さん作品の中ではいまひとつ(意外な人物が犯人ではあったが)。
それにしても、ホテルというところは、ホントいろんなお客様がいらっしゃるようだ。ホテルの接客心得や内情について、結構勉強になった。