「2035 10年後のニッポン ホリエモンの未来予測大全」 | Jiro's memorandum

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【経歴】 日本株アナリスト、投資銀行、ネットメディア経営企画、教育事業経営、人材アドバイザー、新聞社経営管理、トライアスリート

「2023 10年後のニッポン ホリエモンの未来予測大全」(堀江貴文)

 

 

正統派未来予測本では取り上げないようなトピックも、堀江さんならではの視点で、おもしろく(しかし真面目に)予測を展開してくれる。堀江さんの本は何冊も読んだが、今回も概ね期待通りおもしろかった。

 

10年後くらい先だと現実味があるし、堀江さんの親しみのある語り口もあって、身近な未来予測を知的に楽しんだ。

 

 

 

以下、備忘

 

 

 

AIの恩恵

AIが「話し相手」になってくれるという恩恵をいちばん受けるのは、好奇心旺盛な幼児期の子ども。子どものどんな質問攻めにも、正確に、相手に合わせて、ストレスで感情的になることもなく、AIは答えてくれる。

高齢者にも恩恵。ずっと話し相手をつとめてくれて、認知症予防にもなる。

生成AIによるAVも登場するに違いない。現在、20代独身男性の約4割がデート経験を持っていない。アイドルや漫画を通じた疑似恋愛によって実際のデートが不要になった(お金を使わず、気を遣うこともない)。性欲はAIモノで充足させるのがコスパもタイパもよく、リスクもない。出生率はますます低下へ。



日本人が海外に出稼ぎ。

手取り20万円だった介護士がオーストラリアで働き始めたら月給80万円になった、年収300万円だった寿司職人がアメリカで年収8000万円になった、などすでにニュースになっている。

円安とデフレで賃金格差が拡大。デフレマインドが根付く日本は今後も賃金が上がりにくい。職人系、サービス系の人材中心に、日本人の出稼ぎは当たり前に。



オフラインが最強という新常識

オンラインの弱点は雑談に向かないこと。事務的な連絡や会議などでオンラインの便利さが認識される一方で、雑談によってアイディアがひらめきどんどんふくらむ、といったリアルなコミュニケーションの価値が相対的に上がる。リアルを充実化させた人が付加価値を生み出せる。



“マッチングアプリ婚”が王道になる

夫婦の出会いのきっかけのうち「マッチングアプリ」は、2015-2019年6.6%、2022年22.6%。上昇中。



シニア向けマッチングアプリに注目

仕事を退く、伴侶に先立たれる、同窓生も寿命を迎える、どんどん孤独になっていく、でもいまさら新しい出会いを探すのはおっくう、そうした事態を解消するマッチングアプリは大きなマーケットになり得る(なにより高齢者人口は多い)。話し相手がいれば認知症予防になり、出歩く機会が増えれば運動不足解消になる。そして、恋愛は最強のアンチエイジング。



高齢者たちの「話したい欲求」をビジネスにする企業が増える

世間話めあてにコールセンターに電話してくる高齢者が増えている。孤独な高齢者は話し相手がほしい。
そこで、「話しをする」を付加価値にした新しいビジネスモデルが生まれるのではないか。例えば、食品メーカーが「あなたの健康法を教えてください」とチラシなどでコールセンターへの電話を募り、健康自慢や世間話をたっぷり聞いて、自社商品を気軽な雰囲気で売り込む、など。



テスラのVPP(仮想発電所)事業で電気代は大幅に安くなる

家庭用電池Powerwall、屋根設置型太陽光パネルSolar Roof、によって自家発電による蓄電が可能に。テスラは家庭含む各所に設置されたPowerwallとSolar Roofを一括制御し、大量の発電と送電を担う構想。



低軌道衛星による通信技術は破壊的革命に

スペースXは2020年に低軌道衛星を用いたネット接続サービス「Starlink」を開始。現時点で4000基以上を軌道投入。将来的には4万2000基を投入する計画。電波ではなくレーザー光を使った「光衛星通信」が組み合わされれば最強。6Gをはるかに超える驚異的な通信速度で、どんな秘境でもネットがつながる。ドコモなどが膨大なコストをかけた基地局はいらなくなる。