「グラスホッパー」(伊坂幸太郎)
伊坂幸太郎さんの本を初めて読んだ。
人を突き飛ばして車などに轢かせて殺す技を持つ“押し屋”、冷静沈着で先読みが鋭い「槿(あさがお)」。
催眠術をかけたようにして人を自殺に追い込んで殺す“自殺屋”で、亡霊に悩まされ続ける大男の「鯨」。
鮮やかな“ナイフ使い”で、よくしゃべる若者「蝉」。
そして、殺された妻の復讐のため教師を辞めた、能力的にはいたって普通の「鈴木」。
3者3様の殺し屋の設定がまず面白く(それぞれのキャラもたっている)、“次どうなるのか?”と謎解き的なドキドキするストーリー展開で、特に後半は一気に読んだ。
異なる得意技を持つ者が勝負をするというのは「甲賀忍法帖」や「ワンピース」に通じるものがある。エンタメの定番スタイルのひとつだ。
楽しめた小説ではあったが、さあ次は「マリアビートル」!と思えるほどではない。(時間が経てば、いつか読みたくなりそうな予感も)