「頭のいい人が話す前に考えていること」★★★☆☆ | Jiro's memorandum

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泉治郎の備忘録 読書の感想や備忘録 ※ネタバレ注意
【経歴】 日本株アナリスト、投資銀行、ネットメディア経営企画、教育事業経営、人材アドバイザー、新聞社経営管理、トライアスリート

「頭のいい人が話す前に考えていること」(安達裕哉)
 
 
基本的には、相手の立場に立って話す、ということに尽きる。
 
本書内容は、「それはその通りで、わかっている」ということが大半ではあるが、わかっていても、なかなかできていないときも少なくないので(例えば、感情的に反応してしまう、自分の考えを優先してしまう、知識を披露しようとしてしまう、など)、やってはいけないことを確認しながら読んだ。
 
すぐに反応しない、冷静になる、という心掛けだけでも、結構効果ありそうだ。
また、相手が話す内容の中に答えがある(なので話をよく聞くべし)、という考え方も重要。
 
 
 
以下、備忘
 

■「知性」と「信頼」を同時にもたらす黄金法則


1.とにかく反応するな

怒っているときに下す判断は、まず、間違っている。
“キレること”“感情的になること”で大きな損失を被る。
“話す前にちゃんと考える”ということは、感情に任せて反応するのではなく、冷静になること。
『ファスト&スロー』の「速い思考(システム1)」ではなく「遅い思考(システム2)」。
イラッムカッとしたときは6秒待つ
「口はわざわいの元」。何かを言いたくなったときほど、逆に口を閉じる。


2.頭のよさは、他人が決める

人は頭のいい人の話を聞こうとする。
とことん相手の立場に立って考える癖をつけ、“頭のいい人”になる。


3.人はちゃんと考えてくれてる人を信頼する

問題
「この青の服と、白の服、どっちがいいと思う?」

悪い回答1
「そうだねー白がいいんじゃない?」
「そっかー・・・・・・んー・・・・・・。」

悪い回答2
「どっちも似合ってるよ!」
「う、うん、。ありがとう・・・・・・。」

適切な回答
「白と青、それぞれ、どこがいいと思ったの?」
「青はデザインが好きだけど、白は今度行く旅行先に合っているかな、と思って・・・・・・」
「正直に言って、どっちがいいと思ってるの?」
「青いほうが好きだけど・・・・・・」
「今度行く場所なら、青でも良いと思うし、いろいろな場所で青は使いやすいと思うよ」
「そっかーありがとう!」

素直に思ったことを答えてはいけない。
“ちゃんと”考えてくれる人を信頼する。

何かを言っているようで何も言っていない“賢いふり”の人たち
「検討します」「消費者ニーズに」「お客様第一に」「柔軟に対応します」「臨機応変に対応します」


4.人と闘うな、課題と闘え

頭のいい人は論破しない。勝ち負けは気にしない。
議論の勝ち負けではなく、議論の奥にある本質的な課題を見極めようとする。


5.伝わらないのは、話し方ではなく考えが足りないせい

テクニックで賢いふりをするのではなく、思考の質を高める。


6.知識はだれかのために使って初めて知性となる

真に頭のいい人は賢いふりではなく“知らないふり”ができる。
コンサルに入ったとき「簡単にアドバイスするな、とにかく相手に話してもらえ」と教わった。
知識を披露するのではなく、一緒に考えて、自分で気づいてもらい、背中を押す。
話す前に“本当に相手のためになるのか?”という相手の立場に立った視点を持つ。


7.承認欲求を満たす側に回れ

他者に親切にできる人になる。



■思考の深め方

話が浅い人の特徴①根拠が薄い②言葉の「意味・定義」をよく考えずに使う③成り立ちを知らない

言葉に敏感たれ

大人こそ辞書を引く

定義が曖昧な言葉を使わない(言葉の定義をはっきりさせる)

話す前の「理解」に時間を使う

「理解している」は「整理されている」と同義

結論から話せるようになる簡単な方法は、結論は何かを相手に聞くこと(結論から話すというのは、相手が最も聞きたいことから話すこと)

自分がしたい話から始めない

話を聞くときにやってはいけないのは、自分の言いたいことを考えながら聞くこと
×相手の話を否定し、勝つことを想定して聞く
×いいことを言おう、悩みを解決してやろうと思って聞く
×こういう回答を得よう、こういう結論に導こうと思って聞く

話を聞くときは、相手の言いたいことを考えながら聞く
〇正確に理解しようと思って聞く
〇話を整理しながら聞く

よく聞くための態度
1 肯定も否定もしない
2 相手を評価しない
3 意見を安易に言わない
4 話が途切れたら、むしろ沈黙する
5 自分の好奇心を総動員する

アドバイスではなく交通整理する