「宇宙は何でできているのか」★★★☆☆ | Jiro's memorandum

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【経歴】 日本株アナリスト、投資銀行、ネットメディア経営企画、教育事業経営、人材アドバイザー、新聞社経営管理、トライアスリート

「宇宙は何でできているのか」(村山斉)


久しぶりに宇宙の本を読んだ。

 

宇宙の「大きさ」と宇宙を構成する素粒子の「小ささ」に想像力が追い付かず、宇宙の神秘性に改めて魅かれてしまう。

 

物理学者ならともかく、自分にとっては、とても役に立ちそうな知識ではないし、そもそも理解や想像の範囲をはるかに超えた分野ながら、“とにかくわけのわからない未知の世界だな…”と宇宙についてぼんやりと想いをはせる時間帯が心地よいというか、少しワクワク少しゾクゾクというか、何か不思議な気分になる。

 

例えば、「いまこうしているときでも、宇宙から大量に降り注いているニュートリノを1秒間に何十兆個も浴びていて、自分の体もあらゆる物質も通り抜けているんだな」、とか、少し顔を上に向けて考えたりしている。

 

一時期、やたら宇宙の本を読んだ時期もあって、当時のブログなど読み返したりすると、記憶がよみがえって、また不思議な気分になる。

 

 

以下、備忘

 

 

■暗黒物質

 

「Weakly Interacting massive Particles(反応の弱い重い粒子)」

 

ビッグバンのとき大量につくられた素粒子のうち大部分が消滅したものの、137億年後のいまでも少しだけ残っている、それが「暗黒物質」。まだ検出されておらず、正体不明。

 

暗黒物質がなければ星は生まれなかった。

吉田直紀さん(IPMU)はコンピュータ上の宇宙で暗黒物質が原子を引き寄せて星ができることを初めて示した。シミュレーションでは、集まった原子たちは衝突してお互いに反応し、光を出してエネルギーを失いながらどんどん固まっていき、最後は星になって燦燦と輝きはじめる。

 

 

■反物質

 

すべての粒子には、性質が同じで電荷などのプラス・マイナスが逆の反粒子(反物質)が存在。

 

太陽が核融合反応でエネルギーに変えられるのは質量の1%に満たないが、物質と反物質が消える場合100%エネルギーになるので効率が極めてよい(ガソリンの20億倍)。『スター・トレック』の宇宙船の燃料は反物質という設定。『天使と悪魔』では反物質が悪者に盗まれた。

 

「消えた反物質の謎」

初期の宇宙には反物質がたくさんあったはずだが、宇宙が冷えるにつれて反物質と物質が出会って消滅。私たち物質が存在するのは最初の段階で反物質より物質のほうが少しだけ多かったからで、その差を計算すると、10億分の2だけ多かったことになる。私たち物質(星や水や空気や人間も)は、反物質との生存競争に僅差で勝った。

 

 

■暗黒エネルギー

 

宇宙の膨張は、減速ではなく加速していることが明らかになった。

 

空間が広がるとエネルギーも薄まり、膨張速度は遅くなるはずなのに、空間が広がっているのにエネルギーは薄まらず、空間が広がるにつれてエネルギーも大きくなっている。この不思議なエネルギーが「暗黒エネルギー」。

 

膨張が加速している前提では、宇宙の終わりはどうなるのか? 宇宙の将来をめぐる仮説は「何でもアリ」の状況。

 

 

 

※参照

「宇宙のダークエネルギー 「未知なる力」の謎を解く」

「苫米地英人、宇宙を語る」

「宇宙は生命でいっぱい?」

「宇宙はなぜこんなにうまくできているのか」

「宇宙で最初の星はどうやって生まれたのか」

「宇宙に外側はあるか」