「喜ばれる人になりなさい」★★★☆☆ | Jiro's memorandum

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泉治郎の備忘録 読書の感想や備忘録 ※ネタバレ注意
【経歴】 日本株アナリスト、投資銀行、ネットメディア経営企画、教育事業経営、人材アドバイザー、新聞社経営管理、トライアスリート

「喜ばれる人になりなさい 母が残してくれた、たった1つの大切なこと」(永松茂久)

 

喜ばれる人になる。

 

自己啓発本のテッパンのテーマの一つと言えるだろう。(人のため世のため、利他の精神、など)

 

とても大事なテーマであるものの、ちまたにあふれているワードなだけに、このストレートなタイトルは逆に「引き」が弱いのではないだろうか(実際、完全にスルーしていた)。

 

しかしながら、「人は話し方が9割」は結構いい本だったという記憶もあり、ふと手にとって永松茂久さんの経歴を見たところ、たこ焼き屋で起業というくだりにびびっと興味が湧き、永松さんの成功ストーリー、その永松さんに大きな影響を与えた母(および父)の言動、など読んでみたくなった。

 

まだまだ子育て中の親として、また経営経験者(あるいはビジネスマン)として、自分の考え方や振る舞いを振り返りながら読んでみて、共感できる部分が多く、参考になるところもあった。いい本だ。

 

自分の周りにも、商品・サービスを良くすることには二の次で、いかに効率的に顧客を獲得するかという販促面ばかりにやたら興味を持つ社員がいて、(それも大事ではないとは言わないが)少しイライラ、モヤモヤすることがある。

 

やっぱり、(小手先ではなく本質的に)お客さんが喜んでくれるような仕事をしないと、仕事をしていてもつまらないし、実際何の価値も生み出していないよな、と本書を読んで改めて感じている。

 

この本には、この直球ストレートなタイトルがやっぱりよいな、と読み終わって思った。

 

 

以下、備忘

 

 

「ソースを売る前に、まずたこ焼き、お好み焼きの文化を広めよ」(オタフクソース)

※たこ焼き、お好み焼き屋さんになりたい人に無料で研修をやっている

 

 

「どれだけ大きくなっても、たこ焼きの向こうにあるものから目を離すな」(銀だこ・佐瀬社長)

※たこ焼きを食べる人の笑顔を絶対に忘れない

 

 

「お前は自分が喜びたいだけだろ。みんなあのたこ焼き(銀だこで学んだたこ焼き)を喜んで食べてくれている。・・・でも、それを商品にしないっていうのは、お客さまの求めるものよりも、自分のこだわり(自作のヘルシーたこ焼き)を押しつけて、お前が喜びたいってことだよ。お前がやりたいなら勝手にやればいい。でも、それなら人を巻き込むな。それなら文句は言わない」(父)

 

 

「誰に向かって本を書いてるの? 誰を元気にしようと思ってるの?」

「もうすでに元気な人たちに、あんたの本は必要なの?」

「あんたは本を書きはじめた最初の頃、『自分の経験を通して、悩んでいる人の心を少しでも明るくしたい』って言ってたよね。あの頃のあんたはどこにいったの? 上に行きたい人たちだけと歩けばいいの? 悩んでいる人のことはもういいの? あんたは気づかないうちに、多くの読者の気持ちがわからなくなっている」(母)

 

 

「大切なのは永松さんが『書きたいこと』ではなく、『読者が読みたいこと』です。徹底的に読者目線に立った文章をください」(編集者)

 

 

 

人は自分のことを理解し、大切にしてくれる人のことを好きになる。ビジネス、友人関係、コミュニティ、エンタメ、起業、すべてそう。自分を幸せにしてくれる人のところに人は集まる。