「Think Clearly」★★★☆☆ | Jiro's memorandum

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泉治郎の備忘録 読書の感想や備忘録 ※ネタバレ注意
【経歴】 日本株アナリスト、投資銀行、ネットメディア経営企画、教育事業経営、人材アドバイザー、新聞社経営管理、トライアスリート

「Think Clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法」(ロルフ・ドベリ)

 

よりよい人生を送るための思考法が52紹介されている。そのうちざっと8割は、一般によいと言われていることで、他の本にも書いてあることかな、という印象。

 

ただ、これは新しい視点だな、と感じた思考法が、なかなか心に刺さった。また、よく言われていることであっても、背景の論理や例え話に新鮮味があったり説得力があったりで、読んで面白かったし参考になった。

 

 

以下、備忘

 

 

・考えるより、行動しよう

なぜ行動できないのか? それは、考えているだけのほうが気楽だから。

人生において自分が何を求めているかを知るには、何かを始めてみるのが一番。考えているだけではよい人生は手に入らない。

 

・なんでも柔軟に修正しよう

早いうちに軌道修正した人は、時間をかけて完璧な計画をつくり、うまくいくのを待ちつづける人より、得るものが大きい。

大事なのは「完璧な計画を立てること」ではなく、「状況に合わせて何度でも計画に変更を加えること」。

 

・大事な決断をするときは、十分な選択肢を検討しよう

人は「早い段階」で決断を下してしまいがち。

統計学的に抽出サンプル数が少なすぎて全体を代表していないにもかかわらず、それだけの情報をもとに性急に決断を下してしまっている。

 

・簡単に頼みごとに応じるのはやめよう

頼みごとを引き受けてしまうのは、他人に好かれたいという生き物の本能。

頼みごとをされたときは5秒で決断(ほとんどの場合、答えはノー)。

誰からも好かれたいがために頼みごとを全部引き受けるよりはずっといい。

相手はかえって毅然とした態度に尊敬の念を抱いてくれる。

 

・戦略的に頑固になろう

頑固をつらぬくほうが、長期的な目標をかなえられる。

理由1・・・「決断疲れ」の回避。状況に応じた決断を繰り返すと、判断力が鈍ってくる。そして疲れた脳は、もっとも安易な選択肢を選ぶ(多くの場合、最悪の選択肢)。

理由2・・・「評価が確立される」。自分のスタンスを知ってもらえる。バフェットは「事後交渉は受け付けない主義」をつらぬいたため、一度拒まれたら、それで終わり、という評判を確立。確実に最初から最高の条件が提示される。

 

・好ましくない現実こそ受け入れよう

現実は動かせない。

銀行口座がマイナス、体重が増えつつある・・・ その事実をどう思おうが、どんな感情をもとうが、現実に何の影響も及ぼさない。自分の脳をごまかしてみてもなんにもならない。

「好ましい現実」を受け入れることは簡単。だが、「好ましくない現実」こそ受け入れる必要がある。

 

・自分と波長の合う相手を選ぼう

スキルはあとから身につけることができるが、人間の気質は変わらない。

性格の改善が必要な人とは仕事をしない。性格を変えようとしてもむなしいだけ。

 

・性急に意見を述べるのはやめよう

自分にとって複雑すぎる質問には、無理して意見を絞り出すより、「わからない」と答える。

 

・解決よりも、予防をしよう

人生の困難は「解決する」より「避ける」ほうが早い。

氷山にぶつかって沈没する船から全乗客を救出した船長。氷山を迂回して安全に航行した船長。映画で観たいのは前者だが、優秀な船長は明らかに後者。

ターンアラウンド・マネージャーの企業再生手腕は評価してよいが、もっと高く評価されるべきは企業再生が必要な状況に陥ることを未然に防いでいるマネージャー。

 

・自分を重要視しすぎないようにしよう

自信のある人、自分を過大評価する人は、「余計な労力」が必要になる。

自分を重要視する人は、目標のために何かを行うのではなく、自分をよく見せるために行うようになる。

謙虚でいたほうが生きやすい。