「50代にしておきたい17のこと」(本田健)
本田健さんは好きな作家の1人で、たくさん読んだ。「本だけ」(テレビなどには出ない)なので「ほんだけん」という説をしばらく勝手に信じていて、なんとなくミステリアスなところも魅力に感じていた。
その後、ポッドキャストやYouTubeで拝見し、「あれ?印象と違うな」と思った。正直なところ、怪しい人に見えなくもなく、少し戸惑った。
しかし、久しぶりに本を読んで、やっぱりいいな、と素直に思った。
本田健さんがまだ50代になる前に、60代の方に話を聞いて書いた本。
少々ベタな感じもするものの、そこがまた良いところで、元気に、前向きに、なれる本でした。
50代は、落ち着いて現実を見極めることができ、いい意味であきらめられるところはすんなりあきらめられて、無駄に無理をすることなく、でも適度なチャレンジも可能で、余裕時間を自分の好きなことに使える、充実した年代だ。と思う。
以下、備忘
いまさら恥ずかしいけど、やってみたいなぁという気持ちがあるなら、それをやって死ぬ人生とやらずに死ぬ人生を想像し、やらずに死にたくないと感じたら、それはやるべき。
努力してやれないことはないといっても、50代になると、「できること」と「できないこと」があることを知っておく。
人生には、いろいろな豊かさがあるが、その中でもいちばんの豊かさは、大切な友だちがいる豊かさではないか。
新しい友人をもつのも、昔の友人との交流を再開するのもいいが、60代では遅い。
この10年、ひょっとしたら20年、ずっと課題だと思っていること、宿題だと思っていることはないか。果たされないままの約束、和解できてないままの関係。気になりながら、先延ばしにしたり、忘れようと思ったりしていること。そうした宿題を片づけてしまわなければならないのが50代。
老け込まないためには、「年相応のことをしない」と決めること。洋服、言葉づかい、行動。まわりから反対されたり、ちょっとからかわれたりすることに挑戦しつづけるぐらいで、ちょうどいい。
ドキドキする、ワクワクする ーーー 自分を驚かせてみる。
「これはすごい!」と感動するような場所に行く。大好きな演劇や映画を観る。いままで会ったことがないような人と会う。20代の人たちとつき合う。
後半戦の人生を生きるうえで大切なことは、「嫌なことはやらない」と決めること。嫌なことをやる時間はもう残されていない。
50年生きてきた中で、本当に価値のあること、楽しかったことは何だったか。
人生はつまるところ思い出でできている。
大好きだった人とデートしたこと。
結婚して子どもをもったこと。
何かを達成できたこと。
大失敗したこと。
これからすべきことは何か。
「人生でいちばん大事なものは思い出なのだ」ということがわかれば、時間やお金の使い方の優先順位が変わる。
人生でいちばん大切なことは、心がドキドキすること、ワクワクすることを日常的にやること。
旅行、カルチャースクール、畑仕事、プラモデル、野球チームをつくる、自宅にサロン、、、たいしたことのない一歩が、すばらしい人生のスタートになる。
ワクワクしていた頃の自分を取り戻して、人生を本気で楽しむことにエネルギーを注ぐ。
最期を迎えるとき、「最高の人生だった」と心から言えるように。