「あり金は全部使え」★★★☆☆ | Jiro's memorandum

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泉治郎の備忘録 読書の感想や備忘録 ※ネタバレ注意
【経歴】 日本株アナリスト、投資銀行、ネットメディア経営企画、教育事業経営、人材アドバイザー、新聞社経営管理、トライアスリート

「あり金は全部使え」(堀江貴文)
 

「無(最高の状態)」を読み終えた時、「あ、堀江さんのあの本(=この本)読んでみよう」と思った。

 
人生は計画通りにならない、であれば将来のための資金計画や備えより、いまやりたいことにお金を使った方がいいのではないか、と思ったことが理由。
 
 
堀江さんの本は、これまでずいぶん読んだ。根本的なところはほぼ共感でき、読んでいて痛感で、仕事観や人生観に刺激を与えてもらえる。
 
とは言え「わかるけど自分の考えは少し違う」「そこまでは自分には無理」と各論で同意困難なときもある。ただその割合は、以前は2〜3割だったが最近は1〜2割に縮小している。自分が変わってきたせいか、堀江さんも少し変化してきているのか、その両方か、だろう。
 
この本のタイトルを最初見た時、2〜3割は自分の考えには合わないのでは、と思っていた。しかし、実際読んでみたら、その割合は1割以下だった。
 
今回も、とても面白く、参考になり、刺激になり、勇気をもらえた。
 
 

以下、備忘
 

貯金は一切やめた。仲間と遊びに行き、旅行へ出かけ、美味しいものを食べ、見聞を広めるために使い尽くした。
使うだけ使いまくって、正しかったと思う。
お金を使って得た経験は、社会に出てから、いろんな場面で役に立った。出会う人のランクも高くなった。
貯金を増やすより、そのときにしか得られない出会い、興奮や、体験を積み重ねることのほうが、はるかに大事だった。
得てきた体験は、いま同じ額のお金を投じたところで決して得ることはできない。
後悔のない人生を送るために、お金の活力を信じて、好きなだけ使ってしまおう。
 

近鉄バッファローズ買収によるプロ野球の活性化、ニッポン放送・フジテレビ買収によるメディア革命、衆議院議員選挙に出馬し自民党総裁になろうと考えたこと、はた目にはバカな挑戦だっただろうけど、純粋にそのときやりたいことに没頭していただけ。
やってみて失敗したことも多いけれど、得られた貴重な経験はもっと多い。「やっておけばよかった・・・」という後悔とは無縁だ。
 

持ち家の最大のデメリットは、移動の制限。

 
面白いことを片っ端からやっていくと、やりたいことが倍々に増えて行く感覚だ。
とにかく、何でもやってみることだ!
片っ端からやっていれば、必ず何かひとつかふたつは、思いがけない成功体験を引き寄せる。やること自体が、楽しくなってくる。
 

「移動はタクシーを利用しなさい。タクシー代をケチるような仕事はするな。もし君の仕事が、時給換算してタクシーに乗れないような稼ぎだったら、その仕事に価値はない」
 

多くの人は、仕事に必要な道具、洋服、プレゼント、旅先の思い出のお土産など、たくさんのモノに囲まれて暮らしている。
だがそのほとんどは、「大事」という幻想のパッケージにくるまれた不要品だろう。失ったところで特に何ともない。
モノを捨てるほど、生活はアクティブになった。
アクセスする情報や世界のステージは、高まって行った。
モノを身の回りから無くしていくことで、本当に大事なものが、自分のなかでさらに明確になっていった感覚だ。
所有するモノについて「捨てられない」「捨ててはいけない」という。本当に捨ててはいけないのだろうか?実は大切なのではなくて、いま持っているモノにまつわる人間関係や安心感に、見捨てられるのが怖いだけではないか?
モノに囲まれた偽りの充足より、モノへの執着から解かれて、身軽な行動に臨んでいこう。
 

手柄はお金と違い、納得のいくシェアが難しい。
使ったらなくなるお金より、遺恨を残しやすいので厄介だ。
手柄を立てたい、褒められたいという動機で、行動してはいけない。
お金と同様、手柄も幻想だ。
そんなものは誰かにくれてしまえ。
手柄なんか持っていても、わずらわしい。己の芯がぶれるだけだ。手柄に惹かれた変な人が近寄ってきたり、意外といいことはない。手柄など、贈り物のようにあげてしまったほうが、むしろ周りの人に感謝され、出会う人や集まる情報の質は上がっていくだろう。
得た手柄のシェアがうまい人には、ポジティブな縁が巡る。それもお金と性質が似ている。
 

できるパートを、できる人に渡すことに、抵抗がない。いわば、甘え上手なのだ。
松下幸之助は、自分はできないので頭のいいあなたにやってもらいたい! と、平気で頭を下げられた。優秀な技術者を好条件で引き寄せ、世界トップレベルのチームをつくることができた。
歳を重ねるごとに自分を大きく見せようとせず、格好つけずに、素直な自分をさらけ出している。プライドを発揮する場面をどんどん無くしていった。その結果、ホリエモンを助けたい! という人が増えていった。
プライドの無い人は、モテる。それが真実である。
 

いまの時代、アイディア自体に価値はない。
誰も思いついたことのない、斬新で革命的なアイディアなど、もう存在しない。そのアイディアは絶対、世界のどこかの誰かが同時に、もしくははるか以前に、必ず思いついてる。
インターネットの広がりで、新しいアイディアをつくりだす環境は昔よりはるかに豊かで、便利になった。
アイディアが価値を持つのは唯一、それが実行されたときのみだ。
アイディアを思いついたら、すぐに実現させよう!
見切り発車でもいい。とにかく動き出して、実現に近づけていこう。
「誰よりも優れたアイディア」ではなく、「誰よりも早くやってしまう」者が、成功をつかむのだ。
 

お金持ちなんて目指さず、「あいつと一緒にいたら何だか面白い!」と言われる、行動的な人生を選んでほしい。
お金持ちになりたい欲は、不安の裏返しだ。
やりたいことに、真剣にハマっていれば、お金の不安は消えるものだ。
 

複数のタスクを同時処理しつつ、多くの人と会い、遊び、飲んで笑って、日々を送っている。のんびりしている時間は、ほとんどない。
忙しいビジネスマンは、たまの休日には何も予定を入れず、ボーッとしているというけれど、何が幸せなのだろう。
要は、面白くてワクワクすることを、ずっとやりたいだけだ。
 

繰り返し言わせてもらう。
未来を考えることに意味はない。
未来思考はいらない不安を生むだけで、行動が制限される。
終わりのあるチャレンジに、何の楽しみがあるのだろう?
ここまでいけば達成、だとか、これで終わり、などとゴールを決める必要はない。
いまを楽しみ、気持ちのおもむくまま、自分の世界を拡大していこう。
世界が広がれば、面白い人や情報が集まり、巡り合わせのポジティブな循環は加速する。将来の不安が、いかにバカらしく無意味であるか、気づけるだろう。
あり金は、大事だ。だけど、使わなければただの足かせだ。
ゴールするために使うのではなく、ゴールそのものを無くして、何にも縛られない無限の自由を生きられる人生を、未来思考から取り戻す挑戦に使ってほしい。
お金は使っていいのだ!
 
面白いことを、好きなだけやろう!