「LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略」★★★☆☆ | Jiro's memorandum

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泉治郎の備忘録 読書の感想や備忘録 ※ネタバレ注意
【経歴】 日本株アナリスト、投資銀行、ネットメディア経営企画、教育事業経営、人材アドバイザー、新聞社経営管理、トライアスリート

人の平均寿命は10年ごとに2~3歳ずつ延びています。したがって、100年生きることが当たり前になっていきます。
 
2007年生まれ →101~102歳
1987年生まれ →98~100歳
1977年生まれ →95~98歳
1967年生まれ →92~96歳
1957年生まれ →89~94歳
 
 
本書では3人の人生のシナリオをもとに、65歳引退とした場合の貯蓄の試算をしています。
 
1945年生まれ、勤労期間42年、引退期間8年、老後のための貯蓄は所得の4%でOk
1971年生まれ、勤労期間44年、引退期間20年、老後のための貯蓄は所得の17%必要
1998年生まれ、勤労期間44年、引退期間35年、老後のための貯蓄は所得の25%も必要!
 
 
60歳はもちろん、65歳定年でも、将来的には間違いなく無理がきますね。
 
 
70歳、80歳まで働くことを考えると、今まで通りの考え方・生き方では、無理が出てきます。
自分に投資する、ということがいくつになっても重要になります。
 
 
本書では、3つの無形資産の重要性を挙げています。
 
1.生産性資産 所得を増やすことに役立つ知識やスキル
2.活力資産 精神的・肉体的健康と友人や家族との良好な関係
3.変身資産 大きな変化や変身に適応する能力で、人的ネットワークや新しい経験に対する開かれた姿勢など
 
 
長く働くということは、お金を稼ぐというよりも、貯蓄を食いつぶす期間を短くできる、という意味で非常に大きいです。
 
高齢になっても、頑張ってたくさん稼ぐ必要はなく、長く、楽しく、幸せに、マイペースで、働くことができれば、それでいいと思います。
 
 
いずれにしろ、いくつになっても学習意欲を維持し、勉強を重ね、人的ネットワークを大事にし、どんな変化にも対応できるようにしておきたいですね。
 
 
 
以下、本書からのお気に入りのグラフ
 
 

 
人の労働時間は産業革命のときに急激に増加し(週6日72時間)、その後、現在に至るまで減少してきています。
本書を読んで面白かったのは、最初は富裕層は短時間しか働かず、低所得者層が長時間労働を強いられていたが、現代では、高額所得者の労働時間が長くなり、低所得者の労働時間は減少傾向にあるということ。
 
この理由としてはいくつかあって、高所得者のほうが、多くの人に頼りにされ評価されるている、他に代替できない、仕事が楽しい、などが挙げられます。
 
特に興味深いのが、仕事に対する満足度が長時間働いてもいいと感じさせるということ。仕事が楽しい人ほどたくさん働いてかついいパフォーマンスを上げるので高所得者である可能性が高いです。
 
一方、低所得者の仕事はロボットやITに代替されて、労働時間がさらに減るかもしれませんね。