とても面白く、考えさせられました。橘玲さんの他の本もそうですが、現代の状況を鋭く分析し、とらえている本だと思います。
資本主義、自由主義のおかげで、世界はどんどん豊かになりました。
その必然として、経済格差は広がりました。
お金持ちは超お金持ちになり、小金持ちも増えました。
世の中全体が豊かになったおかげで、その恩恵は平均的な庶民にもおよび、みんなの所得は増えました。
世界の最貧層の人口も大幅に減りました。
しかし、幸せ(幸福感)は、絶対水準ではなく、他人との比較からもたらされるものなので、所得が少し増えても、他の人の所得が大幅に増えていると、幸せとは感じません。
中間所得層の崩壊、これが現代の社会問題です。
みんな平等に貧しいけれど、心はみんな平等に幸せ、という時代の方が良かったのでしょうか。
以下、備忘
団塊の世代が正社員だった頃は、正社員の既得権益を守る必要があった。このため、正社員と非正規社員の差別が温存された。団塊の世代が現役を引退してはじめて、同一労働同一賃金等の働き方改革が可能になった。
平成が「団塊の世代の雇用(正社員の既得権」を守る」ための30年だったとするならば、令和の前半は「団塊の世代の年金を守る」ための20年になる以外にありません。
人類の歴史では一夫多妻が主流。むしろ一夫一妻は人類の長い歴史では、ごく最近のこと。
生涯時(50歳時点)未婚率は男性23%、女性14%。これは、一部の男性が複数の女性と結婚しているからで、実質的な一夫多妻。女性は結婚しない生き方も選択できる時代。下級の男性と結婚するより、(離婚歴があっても)上級の男性と結婚したい。
農業革命、産業革命、そして現在は知識革命。最先端のテクノロジーを開発する少数の知識層に膨大な富が集中するのは必然。
トランプ大統領は、断絶された「プアホワイト」の支持を集めて成功した。