「新聞記者」★★★★☆ | Jiro's memorandum

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泉治郎の備忘録 読書の感想や備忘録 ※ネタバレ注意
【経歴】 日本株アナリスト、投資銀行、ネットメディア経営企画、教育事業経営、人材アドバイザー、新聞社経営管理、トライアスリート

スクープを打つ、他紙を抜く、というのは新聞記者の成果としては非常に大きなことだ。

しかし、新聞記者にとってもっと本質的なことは、真実を明らかする、ということだと思う。その情熱の大きさが結果としてスクープにつながることもあるだろう。

真実を明らかにし、道理を正すことができれば、スクープになるかどうか、他紙を抜くか抜かないか、は重要ではないと思う。

著者の東京新聞の望月記者は、権力側が隠そうとしていることが何かを常に探り、それらを明るみに出すことをテーマにしてきた。国民が聞きたいと思うことを記者会見でしつこく質問した。

望月記者が、朝日新聞の南記者やジャパンタイムズの吉田記者を尊敬し、会社を越えて、ジャーナリスト個人として相互に助け合う場面も心に残った。



望月記者が大切にしているガンジーの言葉。

「あなたがすることのほとんどは無意味であるが、それでもしなくてはならない。そうしたことをするのは、世界を変えるためではなく、世界によって自分が変えられないようにするためである。」



いつまでも真実を追求し続ける記者であってほしい。