★★★★☆
行動経済学の本です。
面白い調査の話がありましたので紹介します。
内容は生活上の満足について回答してもらうという調査。ちょっと仕掛けがあって、質問に回答してもらう前にコピー機でコピーを1枚とってきてもらうように頼みます。そして、半数の回答者には事前にコピー機の上に10セントを置いておきます。すると、10セントを見つけた回答者の生活上の満足度は大幅に高くなったそうです。
また、別の研究では、生活上の満足度はその日の天候に左右される(天気の良い日のほうが高い)、という結果がでているそうです。
ほんの些細なことで、自分が幸せかどうかの意識が変わるんですね。
そういえば、ソーシャル系サービスの企画をしている知人が、天気のいい日は「いいね!」ボタンがたくさん押される、と言っていました。具体的データの裏付けはないが自信ある、と。
ソーシャルメディアを使ったマーケティングは、晴れの日がよさそうですね。
あと、適応の話をご紹介。
人は生活の変化になれるという話。例えば、結婚した年の前後に生活上の満足度は上がるが(結婚した年がピーク)、結婚3年後には上昇する前の水準にまで下がるそうです。逆に、中程度の身体障害になった人の生活上の満足度は下がりますが、2年経つと元の水準にまで戻るそうです。
また、中国人や高度成長期の日本人の満足度も、所得が上昇しているにもかかわらず一定(中国人の場合はむしろ低下トレンド)で推移しています。
変化に対して不安に感じることも多いですが、人間は(良くも悪くも)結構適応力があるんですね。
そう考えると、変化を受け入れやすくなります。
ダニエル・カーネマン心理と経済を語る/ダニエル カーネマン
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