★★★★☆
兼業農家の利益を組織する農協。その農協と自民党と農水省。これらの癒着関係がよくわかりました。
農協にとって兼業農家は、農地転売のお金を預けてくれるし、週末しか農業をやらないので(省力化のため)機械や農薬・肥料をたくさん買ってくれるし、戸数が多いのでたくさんの票を集められます。
兼業農家を優遇することによって、日本の農業の大規模化・近代化は大幅に遅れました。耕作放棄地は増える一方で、いまや東京都の1.8倍の規模に達しています。農薬を使わない有機野菜を小売店に直販する農家などには嫌がらせさえしています。
同じ補助金でも、主業農家に使っていれば減反せずにすみ生産性は上がり価格も低下していたでしょう。
TPP参加くらいの外的ショックがないと、日本の農業は抜本的に変わらないかもです。
農協の大罪 (宝島社新書)/山下一仁
¥700
Amazon.co.jp