★★★☆☆
日本の金融緩和政策をレンタルビデオの本部とFCに例えたりとか(本部がビデオを大量供給しても末端で借りられずFC店の棚に滞留する)、経済状況を身近なものに例える方はたくさんいますが、この方の解説も面白くて分かりやすいです。数字の感覚も養われます。
備忘録
GDP(Y) = 消費(C) + 投資(I) + 政府支出(G)+純輸出(EX)
約500兆円=300兆円弱+120兆円弱+90兆円強+10兆円強
日本・・・ 生産⇒<ダム⇒>雇用⇒消費 労働保蔵のバッファー
米国・・・ 雇用⇒<ダム⇒>消費(⇒生産) 家庭内貯蓄のバッファー
※日本の景気回復のきっかけは輸出が多い。ただし、輸出(タネ火)がよくなっても内需(着火)につながらなければ本格的によくならない(景気のサイクルは2段階)
※日本では生産がよくなっても雇用がすぐに増えない(日本では雇用は景気の遅行指標、先行指標は在庫、生産関連)。雇用が増えた際も非正規雇用中心に増えたため消費に火がつかなかった
※雇用調整が容易な米国では不況期に人員削減するため好況初期に新規雇用が発生する(なので米国では景気の先行指標として雇用統計を重視する)。ただし、雇用不安がある分家庭内貯蓄にバッファーを持っているため、すぐに消費にはつながらない
その他、数字など確認・・・
好況感はGDP比2%程度(10兆円に相当)で左右される
不良債権問題は年間処理10兆円規模だった(累計100兆円)
現在の消費税は10兆円弱=300兆円弱×5%-非課税枠など
2009年補正予算15兆円+定額給付金2兆円=GDP比3%
アメリカ財政政策8000億ドル=GDP比6%
中国財政政策60兆円=GDP比12%
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