★☆☆☆☆
「ウェブはバカと暇人のもの」はウェブの否定的な部分に偏りすぎている感はありながらも現実をある意味正確に捉え面白おかしく書かれた笑える読み物として楽しめました。
しかし、同じ主旨の本も2冊目になると食傷気味。表現の品位もさらに劣化。面白さを通り過ぎて不快感に達した。前著が売れて、著者の考え方が一定の支持を得て、著者の持論が勢いづいて行き過ぎた感じ。途中から読む気がなくなりました。
著者は、Twitterで「おなかがすいた」というつぶやきも、芸能人ブログに対する「頑張ってください」というコメントも、駄文垂れ流し・ゴミ情報と切り捨てる。確かに関心のない他人にとってはどうでもいい情報だ。しかし、「情報の価値=(新規性×娯楽性)÷自分との距離」※だと思うので、親友のつぶやきや応援してくれている人(あるいは応援する気持ちを共有している人)のコメントには価値がある。リアルタイムに近い情報(新規性のある情報)であればなおさらです。
娯楽性や話題性が非常に些細でも、自分との距離が近くて、さらに新鮮な情報であれば、その人にとっては価値があります。読み手によってまた誰に伝えるかによって情報の価値が大きく異なる。これがネットメディア(もしくはソーシャルメディア)がマスメディアと決定的に異なる大きな特徴ではないかと思います。
※参照「過剰と破壊の経済学」
今ウェブは退化中ですが、何か? クリック無間地獄に落ちた人々 (講談社BIZ)/中川 淳一郎
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