面白い本でした。
ユーザーによるプログラム等が可能なPCやオープンなインターネットはイノベーションを促進する肥沃なシステム。一方、iPhoneやXboxのようなメーカーが管理・統制するひも付きアプライアンスおよびそれらによるサービスは創造性を刺激しない不毛なシステムだ。というのが本書の主旨。
PCとインターネットは設計に不完全な部分を持つからこそ革新を生み出すのであり、使いやすく安全なひも付きアプライアンスによるシステムからはそのような現象は起こりにくいと。
社会主義より民主主義、大きな政府より小さな政府のほうがイノベーションが起きやすいという理屈と同じだと考えると一理ありそう。大型倒産が発生する一方で革新的企業が現れるように、不正コピーとかウィルス感染とか様々な問題が発生する一方で驚くようなサービスも生み出される。
こんな面白い例えもあった。オランダのドラハテンというところで道路標識のほとんど(パーキングメーターや駐車スペースの表示まで)を廃止した結果、安全性が飛躍的に高まったという。何も考えずに従えばいい標識がなくなったため、回りに気を配りながら慎重に運転せざるを得なくなったからだと。「たくさんの規制が設定されているから、互いに気を配るという人として大事な能力が失われてしまうのです。・・・自分で判断しようという責任感が小さくなるのです。」ということである。
規制に縛られるより自由を与えられるほうが考える力・創造力が発揮されやすい。
インターネットが死ぬ日 (ハヤカワ新書juice)/ジョナサン・ジットレイン
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◇追記
ただ、孫社長はこう言っています「インターネットがPCと思っている人は、時代に取り残される」