「不道徳教育」 | Jiro's memorandum

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泉治郎の備忘録 読書の感想や備忘録 ※ネタバレ注意
【経歴】 日本株アナリスト、投資銀行、ネットメディア経営企画、教育事業経営、人材アドバイザー、新聞社経営管理、トライアスリート

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自由な市場(市場原理主義)がいかに効率的であり、かつ(一般の認識とは違って)道徳的でさえあるのか、様々な事例で論証していきます。首を傾げたくなる部分が無きにしも非ずですが概ね(90%以上)納得しました。非常に面白く且つ勉強になります。


国家の機能を縮小し、市場原理によって社会を運営しようとする政治思想を「リバタリアニズム」という。リバタリアンによれば、すべての不幸は国家によって引き起こされており(人類の理想とは、国家の存在しない世界である)、「市場原理主義」こそが、人々に自由と幸福をもたらす唯一の希望である。

金融危機など市場経済化のマイナス面がこの数年目立っているわけだが、「見えざる手」のパワーは手がつけられないくらいに大きくなっていて、世界的な市場経済化を逆流させることはもう不可能なのではないか。郵政見直し、派遣法改正、モラトリアム、、、世界に逆行するようにも思える日本は大丈夫なのだろうか。



◇目次 ※は備忘録

売春婦
ポン引き ※ブローカービジネスの効率性について
女性差別主義者
麻薬密売人 ※世界的には合法化の方向
シャブ中 ※どのような人生を選ぼうが本人の勝手
恐喝者
2ちゃんねらー
学問の自由を否定する者
満員の映画館で「火事だ!」と叫ぶ奴 ※言論の自由に一切の例外はない
ダフ屋
悪徳警察官
ニセ札づくり ※紙幣自体 国家が作った偽札、偽札を偽造しても違法ではない
どケチ
親の遺産で暮らす馬鹿息子 ※なぜ相続税で金銭的不平等だけ是正するのか
闇金融
慈善団体に寄付しない冷血漢 ※援助は地場産業の育成を阻害する
土地にしがみつく頑固ジジイ
飢饉で大儲けする悪徳商人
中国人 ※比較優位と絶対優位など貿易の話
ホリエモン
ポイ捨て ※道路や歩道でさえ民間所有にしたほうがいい?
環境を保護しない人たち
労働基準法を遵守しない経営者 ※労働基準法は失業を促進
幼い子どもを働かせる資本家 ※規制するともっと劣悪な仕事につく



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