★★★★☆
「コンテンツ」「コンテナ」(コンテンツを運ぶ容器)「コンベア」(コンテナを配達するシステム)の3層モデルで業界構造を分析している。特段、目新しいフレームワークではないがシンプルでわかりやすい。
以下、備忘録
■新聞(というかテキスト系コンテンツ)
コンテンツ=新聞記事
コンテナ=新聞紙面
コンベア=販売店
従来はこのモデル。新聞社が編集権から流通網まで支配。
コンテンツ=新聞記事
コンテナ=ヤフーニュース
コンベア=インターネット
今はこっちが主流。
コンテンツ=新聞記事
コンテナ=新聞社のサイト
コンベア=インターネット
このモデルの成功例はほとんどない。有料にすると読者が離れる。無料・広告モデルでは十分な広告収益が上げられない
コンテンツ=新聞記事
コンテナ=ヤフーニュース、検索エンジン、だれかのブログ
コンベア=インターネット
こうなると完全に新聞社のコントロール外
コンテンツ=新聞記事
コンテナ=アマゾンのキンドル
コンベア=インターネット(無線)
このモデルで有料課金もありうるが、キンドルの配信手数料は70%もとるらしい
コンテンツ=さまざまな記事
コンテナ=リクルート「R25」
コンベア=紙の印刷物
紙ベースでも新たなプラットフォームが台頭していると
コンテンツ=折り込みチラシ
コンテナ=新聞のすきま
コンベア=新聞販売店
新聞のこの優位性もshufoo!や「タウンマーケット」などが切り崩す
■動画系コンテンツ
コンテンツ=番組
コンテナ=テレビ
コンベア=地上波
コンベアの権益を有するテレビ局がこの世を謳歌
コンテンツ=番組
コンテナ=パソコン上でのユーチューブ、HULU
コンベア=インターネット
インターネット上でこうなっているのは周知のとおり
コンテンツ=番組
コンテナ=ケータイ上でのBeeTV
コンベア=インターネット(携帯)
携帯インターネットでも台頭するのか?
コンテンツ=番組
コンテナ=テレビ、ケータイ、ゲーム機、パソコン
コンベア=電波、CATV、衛星放送、インターネット
そしてコンテナが多様化
コンテンツ=番組
コンテナ=次世代STB
コンベア=電波、CATV、衛星放送、インターネット
コンテナを束ねる次世代STBのポジションを握ったら強い(アップルTV、アクトビラ、Wii、スパイダー、など)
■音楽業界では
コンテンツ=楽曲
コンテナ=メジャーレーベルの製造したCD
コンベア=CD販売店
これが従来モデル
コンテンツ=楽曲
コンテナ=iTunes Store
コンベア=インターネット
インターネット上でこうなっている。コンテナはもっと多様化しそう
■ゲーム業界では
コンテンツ=ゲーム
コンテナ=ゲーム機
コンベア=ゲームソフト販売店
これが従来モデル
コンテンツ=ゲーム
コンテナ=パソコン上のハンゲームなど
コンベア=インターネット
オンラインゲームが一定のポジション獲得
コンテンツ=ゲーム
コンテナ=ケータイ上のモバゲー、グリー
コンベア=インターネット(携帯)
携帯ゲームもかなり市民権を得た
コンテンツ=ゲーム、ソーシャルアプリ
コンテナ=iPhone、SNS
コンベア=インターネット(PC・携帯)
コンテナのオープン化でコンテンツが膨張
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新聞社やテレビ局は地主から小作人に成り下がる。
ただ、小作人(コンテンツ)であろうが地主(コンテナ)であろうが、トップ企業はかなり儲かる。弱小の地主もいれば、立場の強い小作人もいる。
例えば、プラットフォーム横断的に人気アプリを供給するZyngaはもはや小作人とはいえない。
有望な小作人の奪い合いも始まっている。
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