★★★★☆
「イノベーションのジレンマ」で破壊的イノベーションの現象を捉え、「イノベーションへの解」で破壊的イノベーションを当事者として巻き起こす手法を考察。本書では破壊的イノベーションが起こる可能性を客観的に判断するフレームワークを提示している。
前2作ほどのインパクトはないが、3部作揃えておきたい。
以下、備忘録
■破壊的イノベーションの可能性が高まる条件の例
・既存企業が上位顧客にシフトし小さい市場を無視
・顧客が向上した性能に見合うプレミアム価格を支払わなくなる
・相互依存型バリューチェーンが分解されモジュール化される
・バリューチェーンの一部に特化して付加価値をつける専門家が登場
■イノベーションの理論
1.変化のシグナル
・非消費者 新らしい市場での破壊的イノベーション
・満足度過剰の顧客 ローエンド市場での破壊的イノベーション
・満足度不足の顧客 ハイエンド市場での生き残りイノベーション
・非マーケット環境 政府などの影響
2.競争のための戦い
・実態の把握 強み弱みの分析、RPV(経営資源、業務プロセス、価値観)
・不均等の攻撃者 他社ができない・その気がないかどうかの見極め
※不均等の意欲 他社がやる気のないことをする
※不均等のスキル 他社にできないことをする
3.戦略的な決断
・準備のトレーニング
・破壊の達人 スピンアウト組織
・バリューネットワーク 重複しない、既存企業に取り込まれない、
新しい独立したバリューネットワーク
上記1-3はそれぞれCustomer、Competitor、Companyの3Cと言えよう。
「この会社が、電気を使ったおもちゃごときを、どうやってものにしろというのかね」
1876年、世界最大の電信会社ウェスタン・ユニオンの社長・ウィリアム・オートンはグラハム・ベルの電話のテクノロジーを鼻であしらった。
明日は誰のものか イノベーションの最終解 (Harvard business school press)/クレイトン・M・クリステンセン
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