★★★★☆
「イノベーションのジレンマ」 の続編的位置づけ。
「イノベーションのジレンマ」
より、前向きで意欲的、(理論的だが)実践向き、ケーススタディも分散していて(「イノベーションのジレンマ」はHDDに偏りすぎ)、役に立ちそう。
こちらのほうがお勧め。
■破壊的な位置に付けることで競合に戦うよりは逃走したいと思わせる
・競合が喜んで無視するような市場、儲かっていない分野
■無消費に対抗する方法を探す
■顧客が片付けようとしている用事にターゲットを定める
・属性分析・・・持続的イノベーション
・状況分析・・・破壊的イノベーション
・ブラックベリーで片付ける用事「ちょっとした合間の時間を有意義に使う」
※カメラや顧客管理ソフトなどは必要ない
・ミルクシェークで片付ける用事「退屈な(車での)通勤時間の問題を解消する」
※飲むのに時間がかかる、手を汚さない、などがポイント
■コモディティ化を避ける
・「十分良い」状況(顧客が求める水準を大きく超えた信頼性・性能)→コモディティ化
・「十分でない」状況にお金が向かう、ここに位置する企業が利益を握る
・これまで金があった場所ではなくこれから金が向かう場所へ滑走する
■新しい価値基準のプロセス、柔軟な戦略で遂行
・新しい価値基準にあわない既存の主流組織を転用すると失敗
・買収するに当たって
被買収企業の価値はどこにあるのか?
プロセスや価値基準→独立採算制にして被買収企業に資源を投入
資源→統合して買収企業のプロセス・価値基準に接続する
■発見志向計画法による創発的戦略
・意図的戦略・・・持続的イノベーション、破壊的イノベーション(ローエンド型破壊)
・創発的戦略・・・破壊的イノベーション(新市場型破壊)
・成功した新事業の90%以上で、創業者が意図的に追求した戦略と最終的に成功した戦略が異なっている
・意図的戦略の失敗例、ハンドヘルドPDA
■成長を気長に待てる資金で
・本業が堅調なうちに早く始める
・急成長を急かさない(急かすと先行費用を安易に投入してしまう)
・小さく始める
・小さくても利益は早期に。早期の利益は成功を持続させる鍵、収益化を先延ばしにすることを許された新事業が成功することはまずない
- イノベーションへの解 収益ある成長に向けて (Harvard business school press)/クレイトン・クリステンセン
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