20日ばかり 寝たり起きたりの | すずめがチュン

すずめがチュン

アケノさんを取りまく風景をおとどけしてます。











2014/7/10 撮影

日々を過ごしてた間に

よく面白いヴィジョンを観ましたよ。

 

忘れないうちに・・・・

 

熱があって なかなか寝付けなかった時です、

 深呼吸をしてみよう、と掛け布団をもち上げたとたん

首元にサ~っと

   涼しい風が吹き、

 

つむってた目の中に 大きな樹が現れました、

  樹というよりその根元ですが

 そこが枯葉で こんもりと覆われていて

  枯葉は背丈ほども積もってます、

 

見ると ふかふか気持ちよさそうです

 わぁ、寝っころがりたい

  と思った瞬間、

 だれかが、「自分の寝床だ」と言うのです

  横を見ると、枯れ木のような人が 立っていました

 

こけた頬に、伸び放題の髪と髭、身にまとった布切れも

   どれも枯葉と同じ色で・・・まるで

   ・・・・・仙人、

      え、仙人!

  そう思ってみると・・・・ますます仙人っぽい

     きっと、仙人に違いないと思い

   

 ここで、どうやって寝るんですか? と話しかけてみました、

   「潜って」

 なるほど、首まで葉っぱに潜り、満天の星空を仰ぎながらか

  納得です、それ以外の寝方は考えられないし、

 

雨がふったら どうするんだろう?

   「樹のむろのなか」と、奥の大きな樹を見ました、

 その樹をのぞいて見ると

   中に葉っぱがどっさり詰め込んである

 

でも、だんだん葉っぱが湿ってきたら 冷えないだろうか・・・・

  すると、

   「いや、葉っぱになればいい」と言うのです

 葉っぱになるって・・・・・葉っぱと同化するってこと?

  びっくりな答えでした。

    

ふと、昼間はなにしてるんだろう?と思うか思わないか

  みるみる場面が変わり、なだらかな山の斜面が現れました。

 斜面は 見わたす限り 黄金色の草に覆いつくされていて

それが時々波のように

  右に左にと風にそよいでいます、

 

日差しは ぽかぽかと暖かそうで・・・・・

 あぁ、ここで昼寝したい・・・・

   すぐ

   「あぁ、昼寝してる」と返事が、

 

 そうですか~、もしかして一日中ですか?

   「一日中」

 なにもしないで、毎日?

   「まいにち」

 ・・・・・・・・・・毎日か・・・

  なんか、うらやましいような、そうでもないような

 

 退屈するよね・・・

   「しない」

   「おもしろいものが見れて退屈はしない」と言うのです、

 

どんな面白いものが、と聞く間もなく

 また場面が変わり

 

 仙人さんは 黄金色の草の中に寝そべっていました、

  草は 案外草丈があり

     横になると すっぽり隠れてしまうほどです、

  少し離れると、じっと動かずにいる枯れ葉色の身体が

    まるで 朽ち木のようにもみえました。

 

顔を近づけると、枯草のような髪の上を小さな虫が

 這っているのが見えます、

少し離れたところで、あまり大きなものじゃない生き物が

 カサカサと動く気配もしました。

 

これだ!面白いものって、

  「そうだ」

なんだと思ってるんだろう、虫は、きっと人じゃないと

 思ってるのかもね、

 

また景色が変わり、畑と人が見えました、

  さっきの斜面から麓まで、今度は一気に下りてきたようです

 畑が広がり

   その畑で仕事している男の人が見えます、

仙人さんは木の陰から、それを見ていました。

 

下まで下りてくることもあるんだ!

   「うん」

 やっぱり、懐かしくてと聞くと

そうじゃない、

   「思い出すためにくる」と言うのです

なにを?

   「あんまり長く人と離れているので、時々自分が

    なんだったのか分からなくなる」と、

   「だから、思い出すためにくるんだ」・・・・と

 

そうなんだ・・・・・・忘れてしまうんものなんだ、と

 感心しながら

  ・・・・・いつの間にか寝入ってしまってました。

 

  どうして仙人さんだったのか?

   今まで関心を持ったこともないのに、

 

  飄々と、風のようで、軽やかで、

    ちょうどいい親しみ加減・・・・

       そんな仙人さんでしたよ。