その日の宿は、玉造温泉! | すずめがチュン

すずめがチュン

アケノさんを取りまく風景をおとどけしてます。











2014/7/10 撮影

宿のご主人が、挨拶で


  「お寒かったでしょう、この時期、出雲にお出でくださった


   神様が、お帰りの時は皆さんそれぞれだそうで、


   名残惜しくて、こんな天候になるんだと言われてます。」


   とおっしゃる。


 それを聞きながら、


  「一年に一度だもんね、そりゃもう神様だって


    楽しくて、楽しくて・・・・でしょうね」と、ユミちゃんを見ると、


   「でしょうよ、うん!」と


  いつの間に頼んでたのか、ジョッキのビールを


   ゴクゴクっと飲んでいる、


   「う~ん、おいしい!」と、小学校のころから変わってない


 童顔で、


   「フフ、いつも家でも少しだけど 晩酌してるのよ!」


  と、言うと


「ここの旅館ではないんですが 近くで、プロの方の、


  安来節が見られます、良かったら どうぞ、暖かくして


 お出でになってみてください!」と言う案内に


  顔を輝かせた。


  「アケノちゃん行く!」と、ビールで上気した顔で


   早くも行く気満々だ、


「行きたいけど・・・きのう寝てないから、ひと眠りしとく」


 と言う私に、


  「本場の、どじょうすくいだもんね!、こんなチャンスないから」


 と、民謡を習ってる彼女は、着込むと いそいそと出かけて行った。



明けて、二日目はもっと寒くて、


 バスに乗りこむと、早速 ガイドさんの


「今年、一番の寒さだそうですよ~・・・今から冬なのにねぇ


 もう、若くないですからね私、ホッカイロ しっかり貼ってきましたよ」


 という一言で、どっと笑いが起こり、バスが出発する。



見事に着ぶくれた私たちとは、反対に


 ホテルの前で、薄物の制服のまま、いつまでも手を振って


 見送って下さる、従業員さんの姿を見て


ガイドさんが、また一言、


「寒そうですねぇ~、ありがたいですね、いいですか皆さん


  あれが、お、も、て、な、し、なんですよ!」


 と、また笑わせた。



バスを下りて、


ほっぺたをツンツンさすような風を受けながら


 松山の町中を 前のめりになって10分くらい歩き、


たちまち 身体が冷え切ったところで


 「小泉八雲記念館」に着いた。



まだ、開いてなかったが、


  開いたとたん、なだれ込むようにして中に入る。



入ってすぐのところに、八雲自身が特注で作らせたという机があった。


 その異様な高さに目が釘付けになる、


添えてある椅子との、高さの差がハンパでないのだ、


  坐ったら、 おそらく顔のすぐ下に、机の上の書物などがある


   ・・・・という高さだ。


ふいに、


 左目を失明してたという、八雲が


   この机に、まるで頭をのっけるようにして、見える方の右目で


 本の活字を一心に、追ってる姿が浮んだ。


そして、その姿を 尊敬と、労りのまなざしでみつめている


    せつさんが、


 以前 ドラマの中で見た


  ジョージ・チャキリスの八雲と、壇ふみのせつさんは


   とても幸せそうだったな・・・と


    思いながら・・・・・


 せつさんとの間に、四人のお子さんをなし、亡くなるまで


  ずっと、日本にいつづけた彼は


   ほんとに、幸せだったんだろうと思えた。



すずめがチュン


 

 松江のお土産、



すずめがチュン



これは、前日 島根ワイナリーで買った、ワインと


 縁結びのお札の替わり・・・・売り切れで、


  ごめん、ノニさん、アミちゃん、ジュンちゃん


   後は、なんとか自己努力で、(^_^;)、ね、



外に出ると、また寒い!


 元来た道を、こんどはわき目もふらず


 バスに戻ると・・・・


まだ時間は、たっぷりあるというのに


 もう殆どのメンバーが戻ってきていた。



二日目の日程はぎっしりで、


 時間通りバスは出て、次の予定地


 足立美術館!に到着、


すずめがチュン


 庭園が・・・・


  絵に負けないくらい


すずめがチュン

 美しい!


それに、なんと人の多いこと!


 ため息をつき通しで、ほぼ回り終り、やっとベンチをみつけて


  かけたら、


「あれ!」手袋がない!


   「どこかで落とした?」


  でも、探しに戻る時間はない・・・・


きのう、これもどこかに帽子を置き忘れたユミちゃんと


「ほんとに しょうがないね、わたしたち、」


とバスに向かう道々も、惜しくてたまらない


 そのうち、


「きっと、アレよ・・・・


  出雲から帰る、神様のダレかが拾ってったのよ、


寒かったから、『オヤ、いいものがあった!』ってね。


 ユミちゃんのは、ちょっとオツムの薄くなった男神様でさ


  私のは、赤い手袋だったから女の神様よ!」


   「そうそう、ツルツル頭の神様ね、


    女の神様は、弁天様かも。・・・」


と、負け惜しみを言い、言ってるうちに


 ほんとに、そう思えてきて、なんだか嬉しくなってくるのだった。





       つづく