(37)「ところでさ・・・この前の消えちゃった記事、 | すずめがチュン

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アケノさんを取りまく風景をおとどけしてます。











2014/7/10 撮影

やっぱり、あのまま?・・・出てこない?」


 特大サイズのグラスに オレンジが、これまた


はみ出すくらいたっぷりと沈んでいるジュースを


 一気に3分の一ほど吸い上げて・・・・


妹が聞いた。


 「うん、そうなのよ!」


   と言って、同じジュースを自分も飲む。


  タマにくる、この居酒屋さんでの飲み物は


   いつもこれ、


 頼むメニューも、いつも通りで、


  あまり冒険をしないので、失望することもない。



入った時は、まばらだった店内が


  最初の一品がやってくる頃から、混み始め、


 注文した皿が、全部並んだ頃には、ほぼ


  満席になっていた。



「ほら、またね!」と言うと


  妹も 「うん、・・・だから、今そう思ってたとこ」と言う


「おもしろいねぇ~、どこ行っても そうで・・・」


   「福の神なんだって、こういうの、」


「うん、うん、私も聞いたことある、ほんとにお客さん


 呼びこんでるみたいに、入ってくるもんねぇ・・・どこでも」


   「ほんと、ほんと」


「福神かどうかは わからないけど、あのさ、イヤな感じの人には


 近づかないじゃない、だれでも」


  「そうだね、」


「だから、いい感じなんじゃない、私たち・・・ほら、いいエネルギー


 出してるのよ、意識してないけど、」


  「ふん、ふん、なるほどね!」


  と、簡単に盛り上がる、


   目出度いふたりには、めでたい答えしかない。



並んだお皿を次々に空にしながら


 夕方の空に出た彩雲の話しになった。


「あれは、空中に浮かんだ虹みたいだったね!、


  あんなに、はっきりしたの、初めてみた、見た?」


  「うん、見た見た!


   おねぇちゃんちに向かってる時、クルマから、」


「左の・・・ここんとこだったから・・・右の足の方


  探したんだけど、なかったね、」


  「あったよぉ~、見たもん、」


「え、あったの!見たかったなぁ、・・・きっと明日から


  天気悪いよ」


  「そうなの?」


「うん、虹が出る時はね、


  『アケノさん、明日からしばらく宇宙船みえませんから、悪しからず』


   って、ことなのよ、」


  「ふぅ~ん」


「それかね、『今日は雨で見えませんでしたね、これは替わりです。』


  って時もあってね、その時は、そりゃもうデッカイ虹が、ど~んと


  真ん前にでるよ、」


    「え~っ、そんな風に思ったことない、」


「そうだって、じゃさ考えてごらんよ、虹なんて、あっという間に


 消えてしまうのに、真正面に出てても、ダレも気づかないで


  自分だけ見てることもあるよ、」


  「あるある、そんな時は、何か特別な感じがして、ワァ~!って


    思うよね、」


「でしょお~!・・・だから、見れた人にとっては何かのメッセージ


 なわけよ」


  「そうかぁ・・・・じゃさ、前、話したあれ、


      虹の中に入ってった!って、」


「うんうん、あの虹ね!」


  「そぉ!、あれなんかスゴいメッセージ、だったのかな?」


「そうだね」


  「ほんとにスゴかったもんね、そこにクルマごと入ってって


   出るまで、どれくらいだったか?・・もう周り全部


     セピア色になっちゃって、


   クルマの中も、道路も、周りの景色まで全部!」


「よく運転できたよね、」


  「ううん、もうあゆみと二人で 大興奮よ、ナニ、ナニ、って言ってる間に


    出ちゃったけど、不思議だったねぇ・・・


   でも特に、なんか思ったってことはなかったよ、あの時、


    うん・・・別になかったよね、びっくりしただけで」


「う~ん、でもいつか、ああ、あれがって思う時があるんだと思う、」


  「そうかもね」


「楽しみだね!」


  「うん、まぁね」


   と、一時間ほど 虹の話で盛り上がりながら完食。


     ごちそう様と、満員の店を出た。



出たとたん、寒さに思わず 身を縮める、


  以前より、クルマの通りも人も少なくなってるように見える


    メイン通りを、


  大胆に、斜めに横切ってゆきながら



「やっぱり、寒いね、外は」


   「寒いでしょ、タマに出ると」


「どうする?何もないんだったら、行きたいとこあるんだけど」


   「うん、いいけど、何処?」


「○○」


   「いいよ、」


   と、そのまま、良くいく大型スーパーへ向かった。



広い、駐車場に着いたら、やっぱり空を見る、


  無意識に、


 歩きながら上を向いて、雲の間に見える


   星の中に、星でないモノを探す・・・・



 店に入ってしまった妹を、追いかけ


  少し 早足になりながら、もう一度上を見た時、



 小さなふたつの、点滅する光が見えた。


  

 旅客機?・・・・・


   にしては、二機、くっつきすぎてる?


  そんな近さで、前後して進んでいく二つの光!


   前の方が、だんだん遅くなってきて・・・・


  後ろの光が 追いついた、


   そして、なんと横に並んだ!


 そのまま、何秒か進み、


   今度は追いついた一機の方が


 前になると、また二機前後して飛んで行く、



スゴい!


  やっぱり、飛行機じゃない!


   あんなこと、できるのは、


  そう思ったのが わかったのか、二つの光は


また、何事もないように、ピカリ、ピカリと澄まして飛んで行った。


  きっと、笑いながら


   「わかったかい、」と言っている。



  私は、二つの光に向かって手を振り


 小声で、「わかってますよぉ~!、見てます、感謝してます!」


   と言った。




 つづく