(31) 14日の朝おそくに、目をさます | すずめがチュン

すずめがチュン

アケノさんを取りまく風景をおとどけしてます。











2014/7/10 撮影

おや!・・・・


 アタマ痛くないし、肩も、うん、凝ってない


  咳は?


 と、思ったとたん、コンコンコン、


  これだけ・・・・・まだ しぶとい。



なんだか、いい予感がして、すぐ起上がり


 北の窓を開けた。



へぇ~!、これは!


  青空だ、 はっきり、くっきりの青い空!


   いつもの、うす雲で覆われた


    ぼんやりした青ではなく


 秋晴れのような、真っ青な空!



  でも、どうして?


 と思ったとたん、窓の外の電線が


  ビュンビュンとしなった。


   そうか、風のせいだ!



 見上げると、空の高いところにある雲が


   強い風に飛ばされ、みるみる東へと 流れてゆく、


  押し合いへし合いしながら


   東を目指す雲たちは


    なんだか・・・・嬉しがってるようにも?



 そうだね、私もうれしいもの、


  毎日、空をながめてるけど、冬のこんな日は


   滅多にない、


  格別の色合いの青空と


    ちょうどいい塩梅の、風がセットになった日、



「嬉しぃ~、最高の天気!


  ・・・・・こりゃ~出ますよ、きょうは、奥さん」


 などと、ひとり言をいい


   いそいそと、着替えをはじめる、


  すると


    ほんとに、出た、一機目!



いつもながら、ちょっと目を離したすきに



   輪郭が白、中が青みがかった、半透明のシップ、


     窓の上、三分の一あたりのところだ


      時々、止まったように見せながら


    ゆっくりと、上へ進み・・・・屋根にかくれていった、



  多分、家の真上を移動し、しばらくしたら


   ベランダの屋根から出てくるはず、


  急いで、着替えをすませ、


   ベランダに移動して、待っている・・・と、



 現れた!


   ますます青くなった 機体は


     時々、空に溶け込むように


    目を離すと、空と見分けがつかなくなる、


  それを、左にある太陽の光を


    手で遮りながら、瞬きもせず追って行き

        

          見えなくなるまで追いかけた。


  10:50 いつもより早い時間だ、



    二機目は


  屋根の下 すれすれのところに現れていた、


    真っ直ぐ 西に向かってゆく


    珍しいコース、



 それを目で追っていくと、西の山の上に


   二機目に向かってくるように、


     飛んでいる三機目が見えた。


  おぉ、ツーショットになるかな!・・・・と思う間もなく


 

 爆音が聞こえ、左低空に


    空港に帰ってくる旅客機が現れている。



     旅客機は、目の前を通り過ぎ、そのまま


   みるみる二機に近づいていき


  一瞬、上空の二機と


    下の旅客機が、同じ視界に入った。



 金属製の、黒っぽい光沢を 放つ地球産旅客機の


  はるか上空に、半透明の不思議な質感の


     小さな機体が、ふたつ並んだ、



  時間は、わずか2,3秒


   それは、この世のものと、そうでないものが


     一瞬、一緒に並んで、収まったというような・・・


     不思議な光景と時間、


    それを今、自分は見ているという


     ・・・・感覚、



   すぐに、旅客機は飛び去り


    上空の二機も、離れて小さくなり


      見えなくなった。


    

 す・ご・い・・・・


   やっぱり、今日は凄い日だ!



    ひょっとして、いつかの、あの日みたいに?


   と、何ヶ月も前


    ベランダに立ち、呆気にとられて 空をみつめる


 目の前で、右、左、遠く、近くと


     まるで、航空ショーのように、たくさんのSSが


    飛んだ日のことを思いだした。



   カメラがない、


      貸してしまって・・・、カメラがないんだ、



   さて・・・・どうしよう


    そうか!・・・あれだ、



  部屋に取って返し、しばらく放っておいた


    ファイルブックを取りだすと、


   白と、黒、金のペンも持って


     急いでベランダに戻った。



 ファイルブックは、最後の2ページだけが


  未記入、


    そのまっさらな青い一枚を取りだして


     床に置いた。


  これでいい、準備OKだ!



   正にそれが正解で、そうするのを待ってたというように


    SSが現れ出した、


  それを、次々と白いペンで画きこみ、


    ナンバーと時間を記録し、手を振る、



  10機目は、派手に光りながら現れた、


    合図だ!


   慌てて、ペンをくわえ、空いた両手で


     大きく、手を振ると


   光は、ますます強くなり、そのまま進んで行く



  あの光は、


   ほんとに、ダレにも見えていないんだろうか・・・・



     やっと最後の13機目が、北に向かって行ったのが


   12:40



  新春の出初式のような、


    夢の、貸切航空ショーが終わった。


  お蔭で、風邪菌も吹っ飛んだ、ような



    今、青い色紙の中で、13機の白いSSが


     飛び回り・・・・


      金色の光を放ちながら、


   「さぁ~、いよいよ始まるよ!」と言っている、


     私は、「承知しました」と答えた。


    



     



   つづく