北の窓をみて、
私は、度胆をぬかれた!
大きな窓いっぱいに、なにかが見えたから、
窓にかけより、
目を上に向けた瞬間、それがなんなのかわかった、
わかったけれど・・・・・・
声がでない!
それは、とてつもなく巨大な宇宙船だった!
緑がかったカーキ色の、頑丈そうなその船が、朝日を浴び
輪郭を金色に光らせながら
今、まさに
ゆっくり、ゆっくり垂直に下りてくるところだった!
窓から見える空は
目の前のこの信じられない物体で、完全に
ふさがれてしまっている、
混乱している頭の中で、昨夜ねるまえ、
巨大宇宙船の出現をおねがいした事を
すばやく思い出し、
「 ワァァ~~~っ!」と叫んで、
階段をかけ下りた、
下りながら、
「 ノニ、宇宙船よ、宇宙船!」と二回叫んだところで
玄関からとびだすと、
緑の巨大物体は、山ほどもあることがわかった。
見えるのは底、側面はすこしだけ、
それを、
みんな、首を直角に曲げて見上げていた。
近づいてくるにつれて、それは、
圧倒するような感じから、だんだん、
なぜか親しみやすい、楽しげな様子に変わって
いくように見えた、
カーキ色の船体が、カラフルな明るい緑に変化してゆき
ところどころに、
赤や、オレンジの部分も現れた
上に、朝日を反射して、キラキラ光る窓もみえる。
その中に、
自分たちを歓迎して、待ちかねているたくさんのクルーがいて、
宇宙船は、私たちを、驚かせ楽しませるための仕掛けを満載した
巨大なテーマパークになってるのが
わかった!
うっそうとした林のなかの、そこだけが、なぜか切り取ったように
突然はらっぱになっている、
「 あれ、ここは・・・こんなに・・・・広かった?」
そう思ってる間も、
宇宙船は、もっとゆっくり、下を確かめるように下りてくる、
まるで、ず~っと前から、そこの場所が
決まっていたように、
その時、なんにもないように見えた滑らかな底の、
真ん中から、何かがニョキッと出てきた、
それは、カメラの望遠レンズのように、
三回飛び出した、ところで止まった、
地面から5メートルも離れてない、
昇降口?
いよいよだな!
「あ、こうしてはいられない・・・・・」
まだパジャマのままである事に気づいたのだ!
着替えなくちゃ!
また、階段を駆け上がり、着替えをさがして・・・
さがしている内に、
目がさめた。
あまりにもリアルな夢だったので、
しばらくは、夢だったとは思えず、ぼんやりしていた。
振りりかえると、
北の窓の外は、あいかわらずの朝の空で、
当たり前だが、窓の外には
林も、広いはらっぱもなかった。
いつもの、ご近所の屋根がみえるだけで・・・
そういえば、
思い出すと、あの家があったところは
ここではなかった、
でも、(妙見)という声が、さっきから聞こえている。
起上がって、すぐケイさんに電話し、今しがたの
不思議な夢のことを話した。
そして、でかけたのです。
つづく