③ ケイさんの家から、ここまで10分、 | すずめがチュン

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アケノさんを取りまく風景をおとどけしてます。











2014/7/10 撮影

ユー君がセットになってるので、


 着替えさせたり、オムツ替えたりしてると、更に10分、


20分ある、


時計をみながら、準備を終え、


 玄関におりたところで、電話が入った。



「 お母さん、どこ!もう外に出た、 スゴいよ!、北の方」


  「 えっ、ナニが、北の方って」


「 高千穂の方、UFО雲の大群だよ!」



 はきかけのサンダルに、足を取られるようにして


 玄関をとびだし、待ち合わせの場所に走って行った。


  行きながら、バッグの中のデジカメを確かめ、北を向くと、


 なんと、そこには、ほんとに、


見事なクラウドシップの大群が!



雲をまいにち観察するようになって、三か月、


  こんなにスゴい数の、UFO雲に出会えたのは


  初めてだ!


 ウチよりも少し高台になって、広い駐車場がひらけたそこまでたどり着き


  あらためて見渡すと、


 それは、高千穂、新燃岳の方角から、


 前にある山並みを越え、南の桜島の方角に、ゆっくりと


  進んでいる。


 夥しい数の、さまざまな形の雲の大群は、悠々と、


  凱旋行進のように見えた。



 いつも見る、白い雲をまとったものもあれば、


 グレーの巨大な潜水艦型で真ん中が、絶妙な形にくびれた


  美しいモノもあった。


 おかしいくらいに形をそろえ、等間隔で行進してゆく丸いモノ、



  いつまでたっても、上手く使いこなせないカメラで


  あたふたしていると、


 後ろで、クルマの音がしてケイさんの


 「 お母さん、こっちこっち!」


  という声がした。



 振りかえり、ケイさんが指さす方角を見ると、


  次々に、現れる大きな雲のいちばん奥に、


  いかにも!な感じで


 それは、姿を現そうとしている、



  何層にもかさなっている雲のそのまた後ろに


 そろばんの駒を少しつぶしたような、ひし形の雲が、


  ひときわ黒く、くっきりと


  前の大きな雲から、横すべりしながら現れた、



 「 スゴいね!」


   「 ねぇ~~っ!・・・・」


その声がきこえたように、左上に、もう一個があらわれた。


   「 もう、これはダレが見てもそうでしょ!」


 「 ね!撮って!って言ってるみたいね」


   「うん、うん、」



   自分より腕のたしかなケイさんに、素早くカメラを渡し、


  かわりにユー君をうけとる


 「 スゴいね~!スゴいよ、ほらほら、 これがさ、ビーナスさん


  もっと、リアルに見えるんだよ! どお!」


   「 そおなのよね~!、すごいよね!」


 「 叫んじゃうね、やっぱり追っかけて走るよ 」


   「 うん、走る走る、手振ってね」



夢中で、20回くらい、シャッターを押し、みんなが


  南の大きな雲の中に入って行ってからも、


 興奮は覚めなかった。



  クルマに戻って、今とった映像をチェックする、


 「 もっともっと、うまく撮れたらいいのに・・・・」


   「 うん、むつかしいね、潜水艦の薄い色の部分が


    写ってない・・・」


 「 ああ、二人でみるにはもったいないなぁ、」


   「 でも、スゴかったね!」


 「 思ってると叶うもんだね!、昨日の今日だもの 」


   それから、妙見を目指したのですが・・・





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つづく