「いつか、会わせてあげますよ、」と
S君の話してた、G先生と きょう、
会えることに、
「 ちょうど、今こっちに来てらっしゃってね、
『 おねえさん、都合はどうかな』って、S君が」
という 妹の電話を
断ろうはずがない、
「いいよ、いいよ」と、二つ返事で、
行くことにした、
時間は7時、
忙しい施療の合間をぬって、
時間をつくって下さったに違いない、
その人は
約束の時間から、30分ほどたって
現れた、
「こんばんは」
「 こんばんは、・・・どうも」
大きな身体が、フワリと
横におさまった、
せまい座敷席の、角
大きな身体に
その席は、窮屈なはず・・・・なのに
不思議に
そうは 見えなかった・・・
しばらく、
ふたりの話が続き、 おもしろく
聞き入っていると、
ところで、
「お姉さん、先生に聞いてみたいこと、ないですか」
と、S君が言う
Gさんが、初めて こっちを向いた、
要らない感情など、なにひとつ入っていない,
まっすぐな 眼差しが
こっちを向いている、
それを、瞬きもせずに
受け止めていると・・・・
「 聞きたいことが・・・・ありますか」
と言って、スッと伸ばした手を
私の、首元において、
とつぜん、施療が?はじまった
首から鎖骨、
次は、右足のくるぶし、
ふくらはぎ、手の肘、
左の胸元と・・・・
気がつくと、どれもが
この20年くらいの間に
怪我や、故障のあったとこばかり!
飼い犬が、ほった穴に、うっかり
足をすべらせ、痛めた
くるぶしのことなどは、自分でも
忘れていた所・・・・・
そう考えてる間も、つぎつぎと
魔法の手は、移動していって
時々、悲鳴をあげたくなるほどの
ところもあった、
やがて
出かける前に、少し気になっていた
首の痛みが、
まったく、なくなった、
肩や、腕の重い感じも
すっきり軽くなっている・・・・
そう言うと、初めてGさんが、笑顔になった
「 ・・・、ほんとに軽くなった、
ありがとうございます、全部わるいとこばかり、
わかるんですね!」 とi言うと、
また、テーブルの方を向きながら
「 わかるよ」 と、一言
「 どんな風に?触ったとき・・・とか、
たとえば・・・
身体になんか見えるんですか?、レントゲンみたいに 」
「 ・・・・・・・・・・・」
「 自分の身体が、反応するんだって」
かわりに、S君が答える、
「 というと、私の首が痛いと・・・・・」
「 そう、そこが痛むの、おんなんじトコが」
「 へぇ~!・・・・そうなんですか」
おでんを食べてた、Gさんも頷いた、
「 じゃぁ、やってもらう方はいいけど・・・・
やる方は、大変ですね!」
「 ・・・・・・・・・」
「 それが違うの、先生は全然変わらないの
パイプ役だから、通すだけ」
また、S君がこたえて、先生が頷く、
頷いて、
「ほかに、聞きたい事ない?」 と、
本日二度目の、ききたいことない?を、
後で、S君が言うには、あんまり
言わないそうで、
このあとも、二三度言って下さった、
「 なにを・・・聞いていいのかな」
とSくんに言うと、
「 UFОの話がいいよ、何回も見てるんですよね、
いや、乗ったんでしたっけ 」
と、嬉しい展開にもっていってくれる
「 見たし・・・乗ったよ 」
「 乗ったんですか!・・・・ひとりで」
「 いや、ふたりで」
「 え、え、ふたりで、いつ?」
「 最初は・・・・」
最初?・・・・・・何回もあるんだ、UFОに乗ったこと、
「 小学5年の時・・・アルプスのどっかだったよな、
遠足で、山登りしたんだよ」 と、
その山登りの途中で、
当時、仲の良かったМくんとふたり、
ちょっと、冒険をしようよ、
ということになったらしい、
男の子なら、考えそうなことだ、
ふたりは、列の 最後尾を歩きながら、
みんなとの距離を、徐々に
広げていき、
まんまと、そこから消えることに
成功したそうで、
やった~!と、ふたり顔を見合わせて
ふと、上を見上げると、
そこには、腰を抜かすほど、スゴいものが
浮かんでいたという、
・・・・・・・・・・
そりゃ~腰ぬかすよね、ダレでも、
浮かんでるのが、
雲じゃないもの!
「 ・・・・・で、で、どうしたんですか 」
「 動けなくなって、見てたよ」
「 でしょうね、」
動けません、だれだって、
・・・・UFОだよ!
オシッコ、ちびらなかっただろうか・・・・
たぶん、ふたりは見上げると、そこには
ふつうの、青空があって、
だけど特別な、アルプスの空で、
それを、二三回
大きく深呼吸して吸いこんだら
また、急いで
皆を追いかけるつもりでいたんだろうね、
「 で、それに乗ったんですよね・・・・どうやって?」
「 どうやって、というか、次にまわりを見たら
中だというのが、わかったという感じかな・・・」
中は、銀色一色で、アンドロイドなのか、
操縦席みたいなものに向き合ってて
顔は、みえなかったそうだ、
おもしろいのは、
床も一面、水銀を流したようなもので
できてて、
風船の中の、水のように、
本体がどう傾いても、その床は自由に
動いて、水平を保つ仕組みになってたそうで、
「 UFОはね、どんな でこぼこしたトコでも、
着地できるんだよ、
やわらかいものみたいに」
「 火山があるとことか、巨石のあるとことかね」
気になる、二人の小学五年生の
その後は、なぜか、抜群の記憶力を
授かったたように、
勉強しなくても、ずっと優等生!
「 試験に、出る問題がわかるんだよ・・・・
ふしぎに・・・・・いつも」
だんだん、宇宙人に見えてきだした
Gさんでした、
つづく