モアイさんの声が したので、 | すずめがチュン

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アケノさんを取りまく風景をおとどけしてます。











2014/7/10 撮影

なんか用?と、


  言うつもりで、下をのぞくと、


 「 ふくは内、おには外、」と、


   ひとりで、豆まきをやっていた、



  寒いので、


 玄関の戸は、はんぶんだけ開けて、


   身体はさんで、


  落花生を、ポイ、ポイと庭に放っている、


 ずいぶん 無精な・・・・・


  あれじゃ、猫も逃げないな、



  バタン!  ドアが閉まった、


    あれ、もう終わり?



 オニ、いなかったようだ、



「 やらなくていいの?、自分は」


 と、ダレかの声がする、


  「 いいよ、どうして?」


「 いや 去年までは、あんなに拘ってたからさ、」


  「 やってたね、型通りに」


「 それ以上だよ、今年やらなかったけど、


  ・・・・・気にならない?」


  「 全然!」



「 どうして?」


  「 鬼、いないから、」


「 いないの・・・」


  「 うんいなくなった、」



「良かったね! 消えてしまったんだ、…消したの?」


  「 消したのかな・・・・」



「 そういうコトじゃない、ナニやったの?」


  「 と言われても・・・あんまり長い間、色々やってきて」


「 どんなこと、例えば」


  「 鬼だから、逃げるでしょ、それから隠れる、」


「 それから」


  「 忘れる、一生懸命」


「で、 鬼がいなくなった、」


  「まさか・・・ますます、自分の力ではどうしようもない


   というのが、わかっただけ」


「 そんなにスゴい鬼、」


  「そう・・・・万事休す、逃げられない というのもわかった」


「 絶対に?」


  「絶体に」


「でもいなくなった、一体 どうやったの、」


  「ふと考えた、

  
    鬼ではない と思えたら、解決するのになって・・・」


「 ・・・・でも、鬼だよ、思えないでしょ」



  「そう、だから、最初はむつかしくてね」


「 鬼だもんね、」


  「 それでも、ではないと、」


「思ったんだ・・・」



  「そう、そして ある日・・・ 


   思い切って、戸を開けてみたら 」


「 ・・・・・・」



  「 そこにいたのは、鬼ではなかったの!」


「 ほぉ~」


  「どうしてだと思う?」


「 さぁ、ではなかったのかも、最初から」


  「 え、勝手に思い込んでた、というわけ?」


「 そうかも、」


  「 うん十年も・・・・」


「 そうだったね」


  「 毎日苦しんでたよ、あれなんだったんだろ」


「 ご苦労様!」



  「 でも、終わった、よかったよ」


「 あとは、福はうち・・・だね」


  「 いえ、いえ」



   福は、今あるもので、じゅうぶんですよ!




  

   つづく